|
最新のコメント
以前の記事
2012年 05月
2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 カテゴリ
メモ帳
ライフログ
検索
おすすめキーワード(PR)
ファン
|
2012年 05月 05日
#248 『Eldar Djangirov/Eldar』今年のGWは、姫と義父が今月手術のため、検査やその前準備ということもあり遠出はできない。よって旅行もできなかったが、ちょこちょこ都心を散歩ドライブできたので結構楽しめた。 まずは入院の為の買い物。そして今月ある長期出張のためビジネスバッグを兼ねた旅行鞄も必要。 初日は池袋。息子が筋トレをしまくった為急激に体格がよくなり昨年作ったスーツが2着ともおしゃか。またしても採寸してもらい2着オーダー。わたしもデぶった為オーダー。東北道が繋がったため、調布~池袋が30分かからない。近くなった。 2日目は義父の手術の話とお見舞いに大久保の病院へ。手術日も5/31日に決定。翌日は姫の検査で調布の病院へ。物凄い混み方。一瞬ディズニーランドかと思ったほど。翌日は休養。2日は誕生日だ。 そして翌日鞄を買いに表参道へドライブ。更に代官山へドライブ。フランスパンにあうオリーブオイルを買う。帰りに実家に行く。そして翌日はニトリへ。LEDを購入。必要なものすべて揃う。残り3日。息子が残り3日は完全爆睡宣言。わたしも寝まくる。で、音楽かけて寝まくり。 そこで聴いていたのがEldar。素晴らしいテクニックだ。心地よい。よく眠れる。 Eldarが心底いいなと思ったのは「Moanin' 」を聴いてから。このソロピアノの「Moanin' 」の楽しさは、昔グレングールドのソロ演奏のベートベン「運命」を聴いて以来の衝撃というか楽しさだった。 その驚異的でテクニカルな演奏のバックグラウンドは明らかにクラッシックだろう。最近ロシアなど北欧のクラシカルピアニストがアメリカに多数流出しているらしい。というわけで最近ニューヨークには超絶テクニシャンのJazzピアニストがゴロゴロいるようだ。ずぼらに言えば、彼のそういう一派のひとりらしくムードとサウンドはクラシカルな演奏のJazzである。ただそういったJazzはつまらないものが多いが、彼は違うみたい。 テクニックにかなり遊びの要素が入っている。テクニックがあるが故の遊び感覚が楽しい。それはこのアルバムの「Maiden Voyage 」を聴くとよくわかる。この真面目腐った曲を、ここまで楽しく遊んでしまえる演奏に、わたしは楽しくてゲラゲラ笑ってしまった。 昔ボビーエンリスケという超テクニシャンピアニストがいたが、あれに近いテクニカル面白演奏に聴こえる。面白いといっておふざけ演奏ではない。あまりにも高度高速演奏のため楽しさでおかしくなってしまうのだ。 ま、ジェットコースター的スリルといってもいい。スピード。テクニック申し分ないので、他の楽器はいらない。彼の演奏はソロが圧倒的に楽しめる。 このアルバム曲ではないが「Remember When」のスケールの大きな演奏は物凄い。まるでオーケストラ、そう一人ベルリンフィルのようだ。映画のような夢の国へいざなっていかれるほどだ。久々にカッコイイ、ピアニストに出会って非常に嬉しい。彼の演奏を聴くことは素晴らしい体験といってもいい。 2012年 05月 04日
#247 【Bill Cantos/Who Are You 】いやはや、よかった。よかった。って、なにがよかったかって。松井ですよ。松井。やっとレイズと契約できた。それもわたしの誕生日に発表と嬉しいニュースだった。 というのも、実はわたし。昨年の10月ころから毎日朝起きると、ネットで日刊スポーツを見るのが日課だった。毎日祈るように松井の契約のニュースを探していたのだ。それは毎日、毎朝、そして昼休み、仕事帰りもそのニュースばかり探していた。今年から家族全員iphonに替えたので、最新ニュースはいつもNETでチェックできる。これは非常にありがたいことだ。というわけでPCを見る時間が昔の半分になった。 で、今年になり、キャンプもはじまり、そしてメジャー開幕と進むも松井の契約のニュースは飛び込んでこない。でもわたしは信じていた。いつか彼の力が必要になる球団が出てくるであろうことを。実はそれは6月と予想していた。その頃になれば故障者も出てくる。成績が出ない選手も整理される。だが予想よりも早かった。たしかに去年の成績はスランプというより明らかに力は落ちている。だから正直今年が最後になるかもしれない。それでも今年彼の勇姿を見たいのである。 わたしにとって松井は、やはり史上最高の選手なのである。前代未聞の甲子園の5連続敬遠から巨人の4番、そしてヤンキースの4番、そしてそしてワールドシリーズのMVPと、常に話題の中心にいて、我々が想像もできないような夢を彼はいくつも現実にしてきたのである。わたしは王、長嶋の全盛期もリアルタイムで見ているし、山本浩二、落合、秋山、清原、とその時代のすごい選手を沢山見てきたが、時代が違うし単なる実力の比較はできない。しかし、やはり松井は別格だ。彼のキャリアは彼自身の力では到底築けなかったし通れない道は沢山あったと思うのだ。それでも結局彼はいつもその頂点にいたのである。神がかっていたと思う。そういう意味でやはり彼は別格だと思うのだ。人格も素晴らしいし、繰り返すが、やはりわたしにとって彼は史上最高の選手である。 で、話は飛んでAORの世界での最高の選手は。ま、選手ではないが、アーティストはこのBill Contosだろう。彼はAOR界の松井秀喜だ。まったくもって素晴らしい才能とセンスだ。AORの世界は才能とセンスの宝庫だが、その中でも彼の才能とセンスは飛び抜けている。 ラテンタッチの「 Come Down (Two Words) 」などイントロがはじまった瞬間、ただ事ではないセンスを感じるし、「Who Are You 」などバラードの美しさ奥行は絶品だ。「Go 'Way Moon 」のボサノバアレンジも楽器の音が本当に美しいしムードが最高。珠玉のバラード「Endless Nights 」も超強力だ。とにかくこの人のバラードの奥行と破壊力はすごい。 更に楽曲とアレンジのセンスは抜群だ。キーボードプレイヤーなので、やはりキーボード群のアレンジは非常にセンシティブでお洒落。さらに歌もクオリティが高く非常に上手い。伸びのある声で嫌味なく恙無い。それにしても全体のムードは真にJazzyで、アコピアノのアレンジ曲に特に魅力を爆発させる。アコピアノのソロはかなり長く、その部分の演奏、アレンジは完璧にJazzである。そのへんが他のAORと違って非常に大人っぽい。だが渋さまではいかなくてエレガントにPOPでオシャレなのがいい。 このセンスと実力がありながら、登場はAORも下火の90年代だからかなり可哀想だ。正統な評価や人気を得ることなく現在に至っているのだろう。90年代AORにこれほどの強豪がいたことに誰もが驚愕するだろう。 これほどのハイクオリテイな楽曲とセンス溢れるアレンジ、更に高度で芳醇な演奏と素晴らしい歌が入ったこのアルバムを、そんなに多くの人が知らないというのは本当にもったいない。これはAOR&スムースジャズのベスト5に軽く入るハイクオリティアルバムである。 こういうとてつもなく素晴らしいアルバムを聴くと、ホント!巷の人たちはゴミのような音楽にお金払っているのだなあと思ってしまう。 知らないって、ホントに、ちょわいよお~。 尚、[注]:’ちょわいよお~’とは、娘が2歳の時に言っていた’こわいよお~’である。 2012年 04月 28日
#246 『Joe Walsh/So What 』だいぶ前の「カクタス」の紹介のときに、このBLOGを始めたきっかけはカクタスを紹介したかったからだと書いたことがあるが、このジョー・ウオルッシュも同じ理由に入る。それほど素晴らしいアーティストだと個人的には思うのだ。 この「So What」は、高校時代リアルタイムで発売されて巡り合った最高のアルバムである。クイーンやラズベリーズをはずせば、わたしにとって高校時代最も聴いたアルバムではないだろうか?発売は1975年くらいだろう。 とにかくわたしはジョー・ウオルシュが大好きだ。その中でも、これは彼の作品の中でも、当時最も売れた最もPOPなアルバムだろう。この後彼はLIVE盤を出してイーグルスに加入することになるのだが、この頃が音楽的には1番充実していた。 よくイーグルス加入で彼がスターの座についたと言われることがあるが、それは当時のリアルな状況を知らないからだ。わたしは当時その真っ只中にいたので、当時のわたしのリアルな感覚を説明しておこう。 とにかく、当時、つまり1970年代中盤だが、イーグルスはデビュー曲の大ヒットはあるとはいいながらも商業的には二流バンドであった。いまでこそ名盤といわれている「ならず者」もたいして売れず日本ではほんの少しジャケットが話題になった程度。「オン・ザ・ボーダー」の頃に至っては、まったく相手にもされていなかった。それもそのはずで全米ではこの2枚のアルバムはTOP40に入るのがやっとのチャートアクションでだった。シングルも「テキーラサンライズ」、「ジェームス・ディーン」がTOP40ギリギリくらいで、もはや中堅から落ち目のムードも漂いはじめていた。 よく洋楽ファンをきどって「オレ、昔からデスペラード好きだったんだよね」という奴がいたが、その昔からというのはいつの頃をいっているのだろう。デスペラードはシングルカットもしていないし、当時わが国ではまったくアルバムは売れず話題にもならなかった。デスペラードはその後、ホテルなんとかでイーグルスがブレイクしたから昔の曲ももてはやされた事例の1つに過ぎない。基本的にイーグルスよりもカーペンターズがカバーしたことによって有名になった曲である。 で、そのイーグルスがあまり売れず、辛苦八苦していた頃に、このジョーウオルシュのアルバム「ソーホワット」は確か全米TOP10に入っていた。9位か8位だった記憶がある。ま、とにかくその当時イーグルスよりは遥かに彼はビッグスターだったのである。 まず普通に考えて、ウオルッシュのキャリアはジェームス・ギャングでバリバリに売れていて、その頃から大スターだったのである。同じ頃イーグルスはリンダ・ロンシュタットのバックバンドから、やっとこロックバンドの地位を築こうとしていたわけだ。というわけで、当時彼らからすればジョーは憧れの先輩であり成功者だったわけだ。 この辺の裏話や状況は、ドン・フェルダーの書いた「イーグルスを首になった男(正式名:ドン・フェルダー自伝 天国と地獄 イーグルスという人生)」を読めばリアルに体験できる。フェルダーは生活のために必死にバンドに自分の楽曲を採用してもらおうと頑張るが、バンド内の支配構造はあくまでドン・ヘンリーとグレン・フライであり、しかもこの二人はバンド内の覇権争いをしていたのだ。だから彼らは自分達の楽曲を最優先させる。結果フェルダーの曲はいつも却下される。バンドにとってフェルダーは単なる雇われギタリストに過ぎない。どの音楽本でも出てくる話だが、バンドなんてプロキャリアがはじまった時から会社と同じなのである。1番稼ぐ奴が発言力も力も強くなるのだ。 で、そのヘンリーとフライはバンドを更に成功させよう必死だ。そこで、ジョーを加入させようとする。自分というギタリストがいるのにジョーを加入させるのだからドン・フェルダーにしては随分プライドを傷つけられた話ではあるが、元々フェルダーもジョーと仲が良く尊敬もしている。 ヘンリーとフライは、バンドをもっと成功させるためにには「強力なエンジン」が必要だと考えた。それがジョー・ウオルッシュだったのである。 で、この頃のジョーの話が笑える。よくAMAZONなんかのレビューで、ジョーがイーグルスに入って音楽的に自信をつけて成長したと書いてあるが。当時のジョーの心境が先ほどのフェルダーの本にも出てくる。「一人でバンドをやるのは大変だ。セットリストは考えなきゃならないし。リハーサルまで全部やらなきゃならない。冗談じゃないぜ」。いやはやジョーらしい。というかバンマスの大変さがよくわかるセリフだ。 というわけで彼にしてみれば、他人のバンドで高額なギャラをもらい雇われプレイしているほうが気楽でよかったのだろう。そのせいかイーグルスのLIVE映像の彼は随分楽しそうだ。やはり自営業よりも大企業のサラリーマンのほうが楽なのはどこの世界も一緒なのだろう。 だからわたしには、当時の彼のイーグルス加入時の状況が、SMAPの木村が関ジャニに加入するぐらいステータスの違いを感じたものだ。当時のジョーとイーグルスでは正直格が違うと思ったものだ。 しかし、世の中うまく出来ているものでイーグルスはジョーが加入する直前に急激に成功する。さっぱり売れなかった「オン・ザ・ボーダー」の中の1曲「ベスト・オブ・マイラブ」が全米1位となり、その呼ぶ水で次の「呪われた夜」も大ヒットして、ようやくジョーとランクがあってくる。 しかし「呪われた夜」で充分成功し、尚且つバンドにギターもいるのにジョーを加入させるヘンリー&フライも執念というか、よっぽどフェルダーを過小評価していたのか。ま、とにかく楽したいジョーも加入して両者相思相愛でイーグルスは次のホテルなんとかで更に成功といくわけだがら全部丸く収まった。 またしても枕話が長くなってしまったが、この「ソー・ホワット」は聴けばすぐわかるが、イーグルスの5000倍は素晴らしい。まったく話にならないのである。彼の凄さはあんなカントリーイモバンドとは比較にならないのだ。 まずオープニングの「Welcome To The Club」のスリリングさが強烈である。とにかくジョーはアレンジがうまい。音楽のスリルがなんたるかをわかっている。 わたしは彼が1番好きなギタリストだが、単なるギタリストというより、音楽家として壮大でダイナミックで素晴らしいと思う。しかもギタリストなのに冗長なソロを延々弾かないのである。キッチリ、アレンジして強烈なリフやフレーズを最も効果的なところではめ込むのである。 更に、音楽がグルーブするように音の強弱、音数の足し算、引き算を考えたあまりに洒落たアレンジはもう見事。だからサウンドがうねりグルーブしている。ここまでできるアーティストはほとんどいない。だからこれ1曲聴いてもイーグルスとは次元が違うことがよくわかるだろう。 わたしは彼のアレンジの巧さを聴くと、なぜかクリント・イーストウッドの演出思い出すのである。魅惑的なギターリフのイントロで客の心を掴み、一瞬力を抜いて徐々に盛り上げ、ここぞというときに魅惑的なフレーズでたたみかける。まるで「ダーティハリー5」で見せたハリー刑事登場シーンのイーストウッドの演出を思い起こすほどだ。 で、わたしに言わせれば、イーグルス本体はジョーによって5000倍成長したと思う。誰が聴いてもわかると思うが、単純に物凄くスケールが大きくなった。はっきりいって「呪われた夜」と「ホテル・カリフォルニア」では、サウンドスケールがメジャーリーガーと町内会の野球好きのおっさんくらい差がある。そのスケールの差はジョーのギターサウンドの壮大さに他ならない。 この時点でイーグルス本体も、やっとワビサビ、スリル、縦横のグルーブの絡みの心地よさがわかってきたのだろうと思う。これはジョーが1つ1つ教えたというより、バンドがジョーから吸収したグルーブなど得るものは多かったはずだ。 更にLIVEでは、ヘンリー&フライが「強力なエンジン」と評していたとおり、強烈で個性的なパフォーマンスを発揮しユニークな存在感でバンドに華を添えている。こういう個性はこれまでのイーグルスには当然なかったものである。 で、2曲目「Falling Down」。まったくもってボーカルを差し替えたらイーグルスそのものだ。しかし当時のイーグルスよりも遥かにスリリング。このアコギを隠し味に入れたアレンジさせたらジョーに右に出るものはいないだろう。この曲は隠し味というより、もろアコギナンバーだが、他の曲でも本当にアコギを裏で効果的に使ったアレンジが匠だ。この曲はコーラスも美しく完璧で、イーグルスはこの辺もお手本にしたのちゃうの。当時わたしはそう思った。 それから彼のアレンジは意外とストリングスを大幅に導入する。その効果的な使い方がアコギとともに非常にうまい。とにかく彼のサウンドアレンジを聴くと本当に頭がいいと思う。QUEENに匹敵するのではないろうか。多彩さじゃなくて効果的な勘所というかセンスが。 とにかくこのアルバム超強力な名曲の集まりで物凄い。「Time Out」や「Turn To Stone」はもう言うことないでしょう。曲のよさ、展開のスリリングさ、魅惑的リフとフレーズ。あまりに決め所のリフがカッコイイので忘れてしまうが、随所で聴かせるスライドのソロもめちゃくちゃかっこいい。ギターの音も非常に綺麗だ。全体のサウンドがぶつからないようなハーモニー構成があまりに素晴らしい。なんであの顔で、これほど知的なのだろう。とにかくジョー・ウオルュシュ、本物の音楽のスリルとグルーブを理解している素晴らしいミュージシャンだ。 2012年 03月 17日
#245 『The Bee's Knees/Pure Honey 』テキサス・レンジャーズのダルビッシュは、まだまだ調整中なのに、投げるたびに賛否両論で騒がしいことである。あの実力なら普通に考えて25勝は間違いない。公式戦までほっといてあげればいいのに。オープン戦でいくらよくてもそんなの関係ない。 今回のダル騒動を見ていると、昔Dタイガース時代の野茂がオープン戦で打たれまくっていたのを思い出す。その時スポーツ新聞は「野茂は終わった」と書いていたが、なんと彼はその年の公式戦初登板でノーヒットノーランの快挙を達成した。素晴らしい精神力である。ダルも野茂のように孤高の精神力があるように見えるので心配ないと思える。 わたしは第2回のWBCで1番驚いたのはイチローのタイムリーヒットではなく、抑えで投げたダルビシュの変化球の切れ味だった。野球をTV観戦していてあれほど変化した球道はみたことがない。あのスライダーを打てる人間はこの世にはいないだろう。あれは神業だ。当時Rソックスの強打者マニーラミレスもTVで見て「あの若いピッチャーは凄かった」とコメントしていたぐらいだ。当時の現役メジャーの強打者が驚嘆していたぐらいだから、メジャー関係者はダルの実力は当然理解している。 で、理解していながら皆でギャアギャア騒いで楽しんでいるのである。ま、それもプロスポーツの楽しみ方の1つでもあるのだが。 というわけで、終わってみればすべては彼が持っていくだろう。 それよりも、もう一人の20勝投手に注目してほしい。 わたしは2012年は、二人の日本人投手が20勝すると予想している。 そのもう一人の日本人投手というのは、ヤンキースの黒田だ。 こちらの実力も物凄い。2011年もバックがオンボロチームじゃなければ18勝はしていただろう。 こちらも大注目してほしい。 で、テキサスといえば、わたしらの世代はZZトップだが 最近では「愛、テキサス」というのもあるが、苦笑いで鼻水がでそうだ。 なに、あの歌?わけがわからん。学芸会ののようなヘタ芝居ドラマ「エンディングP」の主題歌だが 葬儀屋のドラマで「愛、テキサス」とはこれいかに? 最近面白いドラマがない。毎週楽しみに見ているのは「孤高のグルメ」しかない。 ま、そんなことはどうでもよく。 このテキサスのバンド、The Bee's Kneesの「Pure Honey 」というアルバムは最高だ。 まずこれジャケットがいいよね。かっこいいジャケットだ。私好みのムードだ。 ここまでジャケットがカッコイイと絶対に音はかっこいいのである。 で、その予想は想像を遥かに超えるほど当たっているのである。 まったくもって中のサウンドもむちゃくちゃ素晴らしいのである。 これは大変な掘り出しものである。 とにかく大好きなPOP・ROCKというかAORサウンドである。 それも基本都会派シティサウンドでありながら、リゾート感覚満載の南国的なリラックスムードのAORサウンドでもある。 「Winnin' & Losin' 」、「The Drifter 」など、かなりjazzyでsaxソロも長くスムースジャズサウンドでこれがテキサスのバンドかと思えるほど洗練されておりお洒落だ。 コーラスは華やかでとても美しい。しかも誰かに似ている。 昔こういうバンドがいた。そう、あのバンドに似ている。ずばりカラパナだ。 ハワイのAORバンド、カラパナによく似ている感じだ。たぶんそれはリゾート感覚の美しいハーモニー、メロディアスなサウンドが共通しており、そしてリードボーカルの声質と歌い方がかなり似ている。 ただカラパナ本体を聴くともっと濃厚なハワイを感じるが、The Bee's Kneesはもう少しROCKぽくて洗練されており、アレンジもメロディも、もう一ひねり凝っている感じがする。 それにしても、お洒落でいいサウンドだ。またメロディも最高で70年代の王道のAORといっていい。いつの時代のバンドか知らないが、借り物でない70年代のサウンドなので当時のバンドだと思われる。 だとしたら今までまったく紹介されたのを見たことがないのはどういうことだろう。 このサウンドとこのジャケットならAORの名盤として大々的に取上げられてもいいはずだが。 とにかく素晴らしい内容で歴史的名盤といってもいい。カラパナのベストアルバムと聞き比べてもまったく遜色ないし、楽曲も全曲完璧に素晴らしい。見事にメロディアスで爽やかだ。 またしても未知なる強豪に出会っていい意味で愕然としている。 まだ寒くて前半だが、これは今年出合ったベストアルバムである。 まだまだ、埋もれたいい作品は無尽蔵にあるのである。 カラパナやセシリオ&カポノなどのサーフAORをたくさん聴きたくなった。 早く夏が来てほしいものだ。 2012年 03月 07日
#244 『Marilyn Scott/Without Warning』まるで弟のように可愛がってもらった脚本家の清水曙美さんが亡くなって早2週間。 今でも信じられないが不思議に悲しみはない。あまりに近すぎる故に、そういう気分は湧いてこないだろうか。それよりも昔のいろいろな思い出が走馬灯のようにこみ上げてきて、頭が圧迫されて夜眠れなくなる日がたまにある。 それほど、わたしの人生において清水さん、そして清水家の皆さんとのお付き合いは圧倒的な分量を占めていたし親戚や親兄弟以上に、たくさんの思い出がある。 特に音楽がらみでいうと、彼女は非常に好奇心旺盛な人で、なんにでも興味があった。 知り合った当時わたしはバリバリの20代の若者なので、わたしの日常に関する趣向やトレンドを 知りたがっていた。 「今どんな音楽が流行っているの?mizukiくんはどんな音楽を聴いているの?」 などとよく質問された。 わたしは好きな曲を特集したカセットを彼女に定期的に渡していた。 で、ちゃんと聴いていたようで、結構真面目に曲の感想を聞いていたりした。 この辺は非常に律儀な人だった。 特集カセットの曲は当時ほとんどAORが多かった。(78~85年くらいの話) この時代はAORとディスコの全盛期。 選曲もやはり年齢差を考えて、なるべくハードなものやダンスものは避けていた。 具体的にいえば、Bill Champlin、Wilson Bros.、Tommy Coomes、Steve Marrs Peter Cupples、Steve Appleton、Gordon Michaels、Leslie Smith、Stevie Woodsなど。 私自身もハードなROCKなどは一切聴かない時期だった。 JAZZなんかもあまりいれてない。JAZZじゃ感想のいいようがないものね。 やはりボーカルものが多くエリック・カルメンや南佳孝さん も特集を渡したことがあったが結構気に入っていたようだ。 で、お互い仕事が忙しく頻繁に会えなくなってからは途絶えていた音楽ソースのデリバリは、 90年代後半からはCD-Rに代わり復活をした。 この頃は彼女のリクエストによってCDを焼くこともあった。 美空ひばり特集を結構作ったりもした。 話は戻って、 1980年前後、わたしは毎週日曜日になると車で清水家に遊びに行っていた。 みんなで食事をした後、リビングでトランプや祐子の持っているゲームで遊んで 盛り上がっていた。 で、夜9時過ぎになると娘のユウコも寝るので2階に上がっていく。 ふと気がつくと、わたしへの感謝の手紙が階段のところへ置いてある。 可愛らしいというか、当時小学3年生なのに信じられないほどのキュートな心遣いだった。 旦那さんも公認会計士なので自宅のコンピュータで仕事を片付けはじめる。 やっと清水さんは、わたしと心ゆくまで今書いているものや放送前のドラマ脚本の話を しようと思いきや、わたしはそっけなく言ってしまう。 「じゃ、そろそろ帰るよ」 「もっとゆっくりしていけば」 「10時までに行くところがある」 「ああ、そう」 彼女はそれ以上聞かないが、完全に夜10時に彼女とあってデートすると 思い込んでいたようだ(笑)。 しかし、事実は帰宅途中通る新宿のCISCOに寄ってレコードを買うためだった。 大泉学園から新宿を経由して、そこから高速に乗って市川まで帰るのが わたしのスタンダードコースだった。 帰宅後、新着のレコードを聴くのが独身時代のわたしのゆいつの 楽しみだったのである。 今考えると寂しいものだ。 毎週必ず決まって夜10時に用があると帰っていくので 彼女に会うと疑われても仕方ないが、当然当時そんなものはいなかった。 夜10時までに行くというのは、CISCOの閉店が10時だったからだ。 悲しいくらい音楽マニアは女よりもレコードなのだ。 24時間音楽のことしか考えていないのだ。 今はだいぶ変わったが、当時は異常な音楽マニアだった。 で、わたしは新宿3丁目まで車を飛ばし、店の横に着けるとCISCOへ。 当時わたしは、ほとんどのレコードを新宿か渋谷のCISCOで買っていた。 理由はマイナー系の新着のいいものが手に入る信頼感があった。 ヒットチャートやメジャーアーティストはディスプレイされていない。 行くたびに未知のアーティストに出会うのだ。で、それがまたすごくいいのだ。 店員さんの音楽知識とセンスも他の輸入盤屋よりはかなり上だったと思う。 で、このとき見つけたのが、このマリリン・スコットだ。 ここからが本題だ。今回も枕話が長かったが。 正直Marilyn Scottが、当時国内外で売れていたのか注目を浴びていたのか定かではない。 音楽雑誌やレビューに取上げられることもなかったので まったく注目も人気もなかったのだろう。 それは今でも変わらないと思うが。 しかし、その時わたしは5枚くらいレコードを購入したと思うが なぜか、このアルバムが1番よかった。 サウンドは完全にAOR。歌もこれといって特徴はない。 曲はどれも平均点以上。まあいい曲が多い。 よくいえば欠点がないが強烈なインパクトがない。 なのになぜか聴きやすいアルバムでよく聴いていた。 女性ボーカルが大嫌いなわたしが長年聴いた珍しいアルバムだ。 たぶん波長があったのだろう。 ただし思い出と共に聴いていない人にとっては ただの凡庸なAORに聴こえるだろう。 このへんのニュアンスは男性ボーカルのスティービィー・ウッズのときとよく似ている。 両者とも、なんてことないボーカルだが、その魅力を伝えるのはむつかしい。 この「Without Warning」というアルバムは、サウンドは心地よいAORなのだが、 彼女の歌い方というか節回しに変なこぶしのような余韻があり それが非常に個性的で印象に残った。 聴き込むと独特の歌唱力で引き込まれ彼女だけの魅力的な世界が展開していく。 それは「Where Is The Key」を聴くとよくわかる。 個人的には歴史的名曲であり、この曲を聴くと最初の清水家との楽しいお付き合いしていた頃が フラシュバックのように蘇る。 「Only You 」「First Time」が特に懐かしい。 確か店内で、このオープニングの2曲を聴いて購入を決めた気がする。 今聴くと普通だが当時は非常に個性的なボーカルに感じたものだ。 あれから30年。ホント人生って短い。あっという間だ。 それにしてもMarilyn Scottがいまだにアルバムを出し続けて 活動していることに、ちょっと驚いた。 アメリカではそこそこ人気があるのだろうか? 最近のアルバムはスタンダードのカバーが多いみたいだが 70年代と全然違うしっとり系の歌唱だ。 やはりこの人、バラードがいいね。 2012年 02月 11日
#243 『ラスト・ワルツ/ベスト・オブ・エンゲルベルト・フンパーディンク 』今年は寒いが、3,4年前のほうが発狂するほど寒かった。バス停で立っていても風が体を吹きぬけ我慢できなかった。全裸で立っているような感覚で本当に辛かった。 あれに比べれば今年はコートの中の体は寒くない。つまり風がないから寒く感じない。たぶん気温自体は例年に比べ寒いのだろうが風がない日が多いので耐えられるのかも。 だってここ2,3年の冬はあまりの寒さのために本気で自殺を考えたほどだ。ホント、密かに自殺しようと思っていた。それほど寒いのは嫌いなのである。 で、今年の目標は6月まで生きること。それは映画「外事警察」が6月に公開になるからである。これは絶対見たい映画だ。 「外事警察」とは2009年にNHKで放送されたドラマだが、そのクオリティは物凄く、わたし的には生涯最高のドラマであった。その後パート2の放送を期待したが低視聴率のためか続編が作られることはなかった。ただ知っている人はみんなそのできの良さは知っており、DVDなど誰もが最高の評価をしている。 ただおそらく映画はあの2009年に放送されたTVシリーズを超えられないだろう。それほどあのTV版は奇跡に近かった。完全に化学反応を起こした突然変異的モンスタードラマだった。確かに、その前の「ハゲタカ」のスタッフの才能レベルがピークを迎え爆発したできなのだろうが、その奇跡が映画でも起こせるだろうか? そしてこの映画はヒットしないだろう。しかし、その出来の良さから海外で評価をあげて再び日本へ逆輸入でブームが起こる可能性はある。いまから楽しみである。 で、先日は「麒麟の翼」を観た。 非常に懐かしかった。昭和を感じたのだ。昭和、親、兄弟、あの頃の時代。全部感じた。 わたしは「3丁目の夕日」よりも麒麟の方が昭和を感じるのだ。「3丁目」は表層的でスターウォーズに見える。なにも感じない。 「麒麟の翼」に昭和を感じるのは、あのドラマに出てくる善良な人々である。昭和にはいた、今はいない本物の大人の善良な人々。貧しいが直向な若者。主人公の阿部寛演じる加賀は非常に昭和を感じさせる。無骨で寡黙で正義感が強い。彼はヒーローでもなんでもなく、ただひたすら歩き、聞き込みを続ける。実に真っ当な刑事ドラマだ。もう一人の主人公、中井貴一演じるお父さん。この人も昭和にはいた善良な誠実な小市民。この二人に対比して現在の社会の醜悪な世界が描かれる。適当に犯人を検挙したい警察上層部、問題を隠蔽する企業や学校の教師など。 わたしには昭和VS現代に見えた。すべて昭和がいいとは言わないが、あの時代はまだ自浄作用があった。それは前出の二人のような誠実な人たちの数が多かったからだ。 で、また昭和だが。ホンダのCMで最近エンゲルベルト・フンパーディンクが頻繁にかかる。「クァンド・クァンド・クァンド」は非常に懐かしくいい曲だ。 実はわたし中学時代から彼のファン。1番最初に聴いた曲は、あの大ヒットの「 リリ-ス・ミー 」ではなく、「 太陽のあたる場所」。この歌唱は大好きで、いまだSワンダーよりも好きである。 どの歌唱も味わい深い。フンパーディンクは当時、エルビス、トム・ジョーンズと御三家と呼ばれていたが、マダムキラー度のイメージは彼が1番強かった。ゆえにロックファンからはバカにされており、わたしなんぞも聴いていてバカにされたものだ。 でもわたしは好きでしたね。きちんとした歌唱力で名曲を堪能させてくれる歌手。やはり今でもそういう人たちが好きだ。それでも最近は忘れていたが、CMで聴いてまた聴き始めた。ホント、TVの影響は凄い。70年代初頭来日もしたが、わが国では人気は出なかった。エンゲルベルト・フンパーディンクという長ったらしい名前がだめだったのかも。 しかし、声も歌唱もいいです。「 ラスト・ワルツ 」「リリ-ス・ミー 」はやはり素晴らしい名唱で彼でなくては味わえないゴージャスで懐かしい世界。「男と女」「いそしぎ」「恋はフェニックス」「見つめあう恋」などカバーの名唱もゆっくり寛いで聴くには最高だ。 2012年 01月 07日
#242 『Rival Sons/Pressure & Time 』2012年 明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願い致します。 って、誰にいっているかわからないが。それはこのblogを読んでいる お知り合いの皆さんと今年出会うすべての人々に対してである。 あっという間の年越しで正月で、それも終わり、慌しく1月も中盤に入ろうとしている。 まったくもって速い。速すぎる。異常だ。今年もあっという間に終わるだろう。 もうすぐ2013年がくる。 今年の年末年始は特に忙しかった。仕事も忙しかったが、なんとか30日で片がついた。 もっと忙しいのは息子が1月に引越しするので、それなら自分らでやってしまえと 毎日車で引越ししていた。それも正月5日までに完了。 2日は姫の実家に新年のご挨拶と毎日外出しておりかなり疲れた。 それでも箱根マラソンは見た。非常に面白かった。 今年は箱根に遊びに行きたい。 毎年年賀状は姫が100枚くらい出しているが、わたしは1枚も書かない。 昔からそう。年賀状はほとんど書かない。 中学生のとき10枚くらい書いたのが最高記録。 しかし自分では書かないが人からもらった年賀状を読むのは好きである。 で、気がついた。やはり年賀状は写真がないと全然つまらない。 まったくもって圧倒的に写真がないと意味をなさない。 字だけの賀状は3秒も見ない。写真はすごい。情報量が全然違う。 写真1枚で、そこの家族の現状が一目でわかる。 とにかく写真がない年賀状はつまらない。 1番ひどいのは印刷のみのもの。これはひどい。誠意も思いいれもなにも感じない。 形式主義かアリバイ造りという感じ。「わたしは出したから。」と言っている感じに見える。 商売やお店の賀状のほうがまだ愛想がある。 ま、1枚も書かないわたしが言える立場ではないが。 直筆で一言入っているのはいいが、ただ文字が印刷だけのものは これなら出さないほうがいいとさえ思える。 もっとひどいのは忙しくて忘れたのか、差出者の名前も住所もないのがある。 ただ裏に謹賀新年の印刷だけ。誰から来たのかわからないのがたまにある。 相当の慌てものだ。 そうまでして出さなくてもいいのにとわたしなどは思ってしまうが。 というわけで、わたしは2013年は家族全員の写真を入れた賀状を制作する予定である。 もういまから構想を練っているのである。 で、引越し疲れで正月横になって聴いていたのは、Rival Sons。 「Pressure And Time 」のイントロを聴いた瞬間ニンマリである。 ハードロックでかなりうるさいが、ギター、ボーカル、ドラムのアンサンブルが ああ気持ちよい。 これこれ。細胞が蘇る。あの時代に魂が里帰るのである。 特にドラムスの重量感が完璧に70年代のZEPPLINのサウンドで 懐かしくも気持ちがよい。曲も素晴らしい。 スカスカの演奏アンサンブルもアレンジも最高で あの70年代の黄金律をしっかり引き継いでいる。 騒々しいが、このサウンドは極楽です。 このアルバム2011発売のバリバリの今のバンドだが音は完全に70年代。 こういうサウンドを継承しているバンドを発見することも今年の老後の楽しみである。 ただし不満点もある。やはりサウンドは70年代でもボーカルはあの時代ではない。 音楽的に非常にうまいボーカリストだろう。技術は凄い。だが味がない。 しかしこれはないものねだりかも。 とにかく70年代のボーカリストは凄かった。凄いボーカルイコール、バンドの凄みだった。 そんなのが今の時代そんなにゴロゴロいるわけがない。 だってあの時代、ロバート・プラント、スティーブ・マリオット、ポール・ロジャース 、ロッド・スチュアート、デビッド・カバーディル、ミック・ジャガー、サミーヘイガーの全盛期。 更に、ヴァン・モリソンやグレッグ・レイクやフレディ・マーキュリーもいた。 それが普通だと思って聴いていたのだから、まあ物凄い時代だったのである。 とはいえ、このRival Sons。かなりいけます。 2011年 12月 21日
#241 『Michael Bublé/Christmas 』まあ今年も早かった。 もう終わり。クリスマスもすぐだ。それが終わったらもう正月。しかし早い。毎年思うが早い。早すぎる。人生あっという間に終わるのだろう。 で、寒い。今年は先週くらいから極端に寒くなった。 まあ寒かったが今週の冷え方は南極並だ。 バス停で待っていると凍死しそうだ。 ただTV「南極物語」は1度も観なかった。 犬を置いていく奴なんか絶対見るか。 「家政婦のミタ」はすべて観た。 あれは凄く面白い。松嶋菜々子は凄い。 で、他に見ているのは「深夜食堂2」。しかし本日で終わり。 洋モノだと「ライ・トゥ・ミー」。 ところで昨日の朝の丸の内線は凄かった。 電車の広告がすべて映画「ミッションインポシッブル」 の宣伝写真だった。それもすべて。 つり革、天井、窓の横とすべて映画の スチール写真かポスター。しかも全車両すべて。 それ以外のものは1つもない。 ここまで徹底した広告戦略は見たことがない。 前代未聞だ。トムくん。むちゃするなあ~。 と、わたしは唖然として地下鉄の車内にいた。 いやあ~それにしても凄かった。電車まるごとだもの。 わたしの乗った電車だけだったのだろう。 いやそんなはずはない。あの時間帯すべてそうだったのだろう。 東京メトロ全部そうだったのだろうか?恐ろしい。 当然映画は大ヒット中。 年末か正月明けにIMAXの映画館で見ようかな。 ちなみに帰りの電車は元に戻っていた。 逆にIMの広告はなし。 というわけで、今年のクリスマスのアルバムはなにがいいかと考えたが、 今年は非常にいいアルバムが出揃った。 といってもすべて今年に出たわけでもないが。 わたしが選んだ特にいいのが、 Brad PaisleyとLady Antebellum、Michael Bubléだ。 どれも非常にいいが、今年はMichael Bubléが1番いい。 このアルバム、クリスマス関係なく非常にいい出来だ。 ブーブレは昔から好きでは普段はそれほど聴かない。 で、たまに聴くとやはりいいと思う。 なぜか顔があまりに好きではないので聴かないが、やはり聴くと凄い。 まず彼は歌がうまい。JAZZにとどまらずどのジャンルのどのような曲調も あまりにもうまく歌う歌唱力をもっている。 「Jingle Bells」や「Frosty the Snowman」のスイング感は素晴らしい。 この歌唱を聴くとシナトラの後継者は彼で決まりかも。それほど素晴らしい。 「White Christmas」におけるバラードの歌唱も余裕とゴージャス感に溢れており 素晴らしい歌手である。しかもなかなか個性的でオリジナリティもある。 実力は凄いがあまりにそつがなくて日本では受けにくいアーティストかもしれない。 しかし聴くと実力は誰でもわかる。しかも楽しい。 非常にクオリティの高い音楽をやっている。 演奏は豪華。アレンジもなにもかもすべてがゴージャス。 ショービスのきらめきが眩いほどで現在ガタがきている バリーマニロウを軽く凌駕してしまったようだ。 あえて欠点といえば、やや哀愁味に乏しいかも。 切なさ悲しさわびしさがちょっと足らない気がしなくはないが。 ただこれもあえてケチをつければの話で見当違いかもしれない。 ま、それくらいで聴いていて安心できるアーティストである。 というわけで、こういう企画ものというか 定型的なアルバムは彼は非常に力を発揮する。 楽しくクリスマスを過ごせる極上の音楽である。 いやあ~今年もしんどかったが、 このアルバムを聴きながらクリスマスを過ごせることは、 とりあえず、めでたしということか。 来年はなんとかいい年にしたいものだ。 2011年 11月 20日
#240 『Starbuck/Moonlight Feels Right/Rock 'N' Roll Rocket ] スターバックのよさを延々1時間膨大な量書いたが、プログラムエラーで全て消えてしまいました。 どうしたんだろう? 最近やたらよく起きる。 いつも書いたものが消える。 それも大量に書くと必ず起きる。 スターバックは本当に楽曲が素晴らしい。 全曲素晴らしいメロディとアレンジで本当に凄いいいバンドである。 2011年 10月 22日
#239 『RUSH/Fly By Night 』 前回紹介したバッジーと個人的には非常にだぶるバンドがRUSHだ。わたしには、この2つのバンドはハードなサウンドといい、重いリフ、多彩な演奏アレンジ、ボーカルのハイトーンボイス、3ピース編成とよく似ているので兄弟バンドのような感覚である。 どちらも大好きだが、ラッシュに比べてバッジーは人気もセールス実績も相当落ちる。そこがバッチーは可愛そう。だからちょっぴり半官贔屓したくなるのだ。ただ音楽的素晴らしさは贔屓なんかしなくても同格だと思っている。 ただ、なぜRUSHのほうが売れるのかもわかる気がする。(とはいえ、70年代後半までなかなか売れず今だ日本ではB級扱いだが)。まずRUSHのほうが曲展開が速い、多彩、めまぐるしい。バッジーもだんだんエンジンが掛かってかっこよく展開するが、スピード感、アレンジの徹底度はRUSHのほうが遥かに上だろう。 だがRUSHの嫌いなところもある。実はヴォーカルのゲディ・リーの声が金切り声で歌い方が嫌い。前にイエスはボーカルの声が嫌いだからイエスも嫌いといったが、ラッシュはボーカルの声が嫌いでも大好き。そこがイエスとは違う。それほどRUSHのサウンドとアレンジはかっこいい。 で、前回紹介のバッジーの超強力アルバム「Bandolier」に対抗できるラッシュのアルバムとなると「Fly By Night」が断然いいだろう。ラッシュは大作、傑作がいくつもあるが、シンプルにRockサウンドや演奏アレンジがかっこいいアルバムならこのアルバムを推したい。とにかくこのアルバム、タイトでスリリングな演奏を楽しむという点だけでいえば凄いアルバムだ。ただこのジャケットは問題。これじゃ当時('72年くらいか)も完全無視のアルバムだったのもうなづける。当時こういう意味不明のジャケットは日本では自殺行為だった。ま、Fly By Night だから意味不明でもないのだが。。。 ただ中身は最強最高。まず曲がいい。全曲最高にPOPでかっこいい若々しいRockが堪能できる。しかも現在のRUSHでは味わえない生身のワイルドな演奏に堪能できるのである。これは相当贅沢なことである。新鮮な素材一発の最高の料理が堪能できるという感じである。 どういう意味かというと、基本的に音楽性や演奏テクニックは修練して磨き上げるということがいいこととされている。特にクラッシックなどは凄まじい修練が必要となる。しかしこれがRockになると、必ずしも磨き上げることがいいこととは限らない。荒削りでワイルドな演奏というのがRockではしばし良いこととして受け止められる。 というわけで、現在のラッシュあるいはこのアルバム以降のラッシュの演奏はどんどん進化して構成も演奏も複雑になり、シンセアレンジで時に大仰と、良くも悪くも洗練されていく。ただそれは生身のRockバンドの爆発力と鮮度を失っていっていることでもある。 だからこのアルバムの演奏は、ある意味現在のラッシュよりは稚拙かもしれない。だがRockの凄みはこちらのほうがダイレクトに伝わってくる。 オープニングの「Anthem」が、とにかくハードでタイトでかっこいい。70年代Rockの奇跡のようなグルーブ感、多彩なアレンジも抜群だ。楽器間の阿吽のアンサンブル、そこから発生するうねるダイナミズムが、あまりにもかっこいい。シンセはなく、3ピースRockの塊のような弾む演奏がホント気持ちいい。 「Best I Can 」も同じくタイトでキレアジ抜群のかっこいいRockチューンで、今の大仰で荘厳なムードは微塵もない。まあ、とにかくギターソロがむちゃくちゃかっこいい。「Beneath, Between & Behind 」は1番ZEPPLIN的な曲調、サウンドアレンジといいかなり近い。だが演奏は本家より巧いかもしれない。現在のRUSHから考えたらかなりシンプルな構成といっても、アンサンブルアレンジが抜群で本当にRUSHの演奏は展開が速くて聴いていて楽しい。 「By-Tor & The Snow Dog 」は出だしはシンプルなRockと思いきやかなり凝った構成で聴き応えがある。「Fly By Night」は1番POPな曲で本当にキャッチーでシングルヒットを狙えるほどかっこいい。この曲はRUSH初期を代表する傑作な楽曲だろう。これまた演奏のアンサンブルが抜群にかっこいい。 「Making Memories 」はPOPなメロディとアコギサウンドナンバーで素晴らしい。アコギナンバーのリーの声は深みがあって好きだが。「In The End 」も恐ろしくリフのかっこいい最高のRockである。RUSHは70年代当時からずいぶん長くZEPPのフォロワーでB級という評価だった。まったくなんというひどい時代だったのだろう。当時は自立したまともな音楽メディアは存在していなかったのだろう。 ま、とにかく個人的には、現在及び後期のRUSHより評価の低かったこの頃の方が好き。やっぱりRockは演奏アンサンブルのかっこよさ、サウンドアレンジの作りが命である。この頃のRUSHの演奏はそういったリフやフレーズが雨嵐で沢山あり、それを余裕のテクニックでスピード感豊かにタイトに演奏するのだからそりゃ極上でしょう。「Fly By Night 」を聴くと、やはりこの時代のRockは最強、かなうものがないほど魅力的であるということがよくわかる。 2011年 10月 09日
#238 『Budgie/Bandolier』 情報というのは更新されなければ意味がない。しかもスピードが命だ。古い情報のままだと命取りになる。 なんの話かというと、わたしの内部の更新速度は恐ろしく速い。秒単位かもしれない。数秒後には違う価値観になっているので、誤解されぬよう早く最新情報を届けないといけない。 実は以前、このblogでバッチーを紹介した際、まったく才能がないとこき下ろしたのだが、あれは高校時代聴いた「インフォーザ・キル」があまり面白く感じなかったという話であって、わたしはバッジーの大ファンなのである。たぶんラズベリーズの次くらいでFOGHATやQUEENと同じくらい好きだ。そしてバッジーの才能はRUSHを上回ると思う。 しかしバッジーがここまでPOPな楽曲と洒落たアレンジの魔術を持っているとは驚きだ。 なんか3ピースでサウンドもボーカルもバッジーとRUSHはよく似ている。RUSHはあまりに楽曲とアレンジが巧いのであのバンドにかなうまいと思っていたが。なんのバッジーの全アルバムを聴くと物凄い才能であり、楽曲もアレンジもRUSHよりも上かもしれない。 それほどこのアルバムは楽曲とアレンジがかっこいい。もう疲れた身体にギターの音が染み込む。まずオープニングの「Breaking All the House Rules」のギターリフのかっこよさ。あまりに魅力的で眩暈がする。更にメロディ、テンポとZEPPLINの「ロックンロール」によく似ており、めちゃめゃかっこいいナンバー。 続く「Slipaway」の幻想的なギターの響き。いやはやこれも凄い。アコギが宇宙のように部屋全体を包む。魅力的なバラードだ。ちょっとこれを聴いた人は驚くのではないだろうか。これはROCK史上に燦然と輝く名曲だ。バッチーにこんな曲があったことを驚愕してしまう。サウンドアレンジも心地よく完全にRUSHを上回っている。この曲を聴いていない人生は非常にヤバイ。この曲だけでこのアルバムを買う価値はある。 続く「Who do you want for your love」になるともっと驚く。サウンドほとんどフュージョンで、今聴いてもモダンでかっこいい。けたたましいハードロックのイメージは微塵もない。なんという多彩な楽曲でアレンジも凄い。これまたアレンジの鬼のRUSHを軽く凌駕している。ファンク調とプログレとハードロックが融合した大傑作。 「I Can't See My Feelings」などむちゃくちゃPOPなメロディとギターリフで、ヴォーカルを差し替えたらラズベリーズでも通用しそう。「I Ain't No Mountain」もシングルヒットしそうなほどPOPなメロディだ。アレンジも多彩でお洒落で、これじゃAORだ。バッジーってヘビメタじゃなかったの?と唖然とする洒落たサウンド。メロディとコーラス、サウンドがそっくりで、なんかエンジェルを聴いているようだ。 とにかくこのアルバム、全曲信じられないほどPOPで、楽曲の作りとアレンジが圧倒的に素晴らしい。文句なく70年代の最高作に推したい。 2011年 10月 09日
#237 『Bajofondo Tango Club』 いやはや怒涛の3連休攻撃が最近凄い。毎週3連休のようなイメージ。しかし日々の仕事疲れと、不景気、気分も重い、金無し時間無しとどこへ遊びに行く気にもならない。先月初めて息子のマンションへ遊びに行ったが、もう彼が引越して1年以上になる。やっと1年ぶり訪ねたことになる。まったく時の流れる速さたるや信じられない。 しかし最近遊びは控えているが、ボランティアの掃除など頑張っている。先週も朝4時半に起きて駅の広場の掃除に行った。早朝たくさんの方が頑張ってお掃除をしていた。我々の目の前を飲み屋やカラオケバーから出てきて始発に乗って帰る若者達がふらふら通っていく。大声や奇声を上げたり元気だ。タバコの吸殻のポイ捨てもいる。わたしが若者だった頃はああいうことは出来なかった。徹夜で飲むことはあっても常に掃除をしている方には敬意を持っていた。今後も世のため人のために真面目に誠実に生きていこう。 で、本日は町内会の掃除。もう気が狂ったようにきれいにしてやる。と鬼の形相で頑張った。B型だから狂うと凄まじい。命をかけてやるのだ。お陰で全身筋肉痛。さっきまで意識不明で寝込んでいた。 ウウつ~とやっと体を起こし、茶をのみしばし休憩。体をいたわるBGMがほしい。そんなときはタンゴだ。実はここ最近1番好きな音楽はタンゴでよく聴いている。生活の主流はJAZZではない。実はわたしはタンゴが1番好きだ。落ち着く。身体に染み込む。ビアソラを1番聴いている。特に狂ったのはここ5年くらいで異常に好きになった。 とはいえ思い返すと20代の頃もちょこちょこ聴いていた。南佳孝さんや山本達彦さんのアルバムにも必ずタンゴの曲は入っていたし、もともと好きだったのだ。 とはいえ、タンゴはROCKやJazzのように膨大なアーティストの膨大なアルバムが手に入るわけではないので、そんなに多数のアーティストを聴いているわけではないが。サウンドがタンゴだったらなんでもいいという感じはある。 基本ビアソラやRガリアーノの古典派が多いが、最近はBajofondo Tango Clubが非常にいい。このBTCは、タンゴといっても、オープニングの「Montserrat」をはじめ、かなりプログレッシブでデジタルビートでエレクロリカルなリズムでモダンでお洒落。たぶん原宿や代官山のカフェやレストランでかかっているような最新音楽だろう。とはいえ、あのバンドネオンのリリカルな響きはタンゴであり、モダンでありながら切ない。リズムがモダンすぎてかっこいいのだがタンゴ本来の情熱的な色気はない。 ただ非常に楽で気持ちいい。アコギも絡むと、ホントお洒落。タンゴでもありボサノバのようにも聴こえる。ちょっとこの音楽のカッコよさ、センスは脱帽です。例えば「Los Tangueros 」みたいな全体をストリングスがリズムを刻み、その中間をリードギターのようにバンドネオンをソロを入れるアレンジは発想はRockであり、こういう作りがあまりにモダンでかっこいい。いやはやタンゴは、はまると麻薬的に気持ちがいい音楽です。タンゴはいい。1番いい。 2011年 10月 05日
#236 『Steve Howe/Beginnings』昔、「わたしはイエスを信じない」という映画あったような記憶があるが。調べたらやっぱりなかったらしい。「ジーザスクライトスーパースター」や「パッション」のシーンと混同しているのかもしれない。 で、実はわたしはロックバンドのYESが嫌いである。勿論たまに聴くアルバムもあるが、基本的には嫌い、あるいは苦手である。一応リアルタイムで、「こわれもの」や「危機」は買って聴いていたので70年代当時はそれほど嫌いでもなかったのだろう。 今一度、わたしが嫌いなアーティストを並べてみると、ニール・ヤング、ボブ・ディラン、カーリー・サイモン、ジャクソン・ブラウン、ジェームス・テイラー、パトリース・ラーシェン、イエス、エイジア、スティックス&産業ロックバンドなど。 カーリーサイモンなど意外な気もするが、なんか歌が大味なのね。1曲なら好きな曲もあるがアルバム全曲なんてとても聴けない。聴くと頭にいつも口のでかい女のイメージが浮かんでダメだ。なんか彼女の顔見てるとウルトラQのカネゴン思い出すのね。でもカネゴンは好き。ただカネゴンみたいな顔した女の歌なんか聴きたくないと思うだけ。ちょっとしつこいか。 ジャクソン・ブラウンはいいアーティストで「ホールド・アウト」など大好きだが、所詮歌詞がわからないので通ぶっても彼の本当の世界は理解できまい。JTもほぼ同じ理由で声も金属的で平板。勿論実力は理解しているので大好きなアルバムもある。要は歌詞もわからずに、わかった風には思えないということ。「レイト・フォー・ザ・スカイ」なんか、当時ML誌で☆5だったので買って聴いたが地味でいまだよくわからない。訳詞は面倒くさいので読まない主義。ま、読んでもさっぱりわからない。 ここに挙げた全アーティストの音楽性や才能を否定するつもりはない。中にはアルバム単位なら大好きなものもある。ただ基本的に生にあわないのである。あくまでわたし個人の感覚なので、食べ物も好き嫌いと同じ考えてもらえればいい。世の中、霜降り牛や大トロでも油濃くて嫌いな人もいるわけだから。ま、人それぞれ。 で、イエスを嫌いな最大の理由は、ジョン・アンダーソンの声。あれはダメだ。わたしには生理的にあわない。おっさんが聖歌隊のような声で歌うのはオカルト映画に見える。気持ち悪い。ハスキーで美しい、そして高い。だめだ。オーメンを思い出してしまう。とはいえオカルト映画は好きだが。ま、とにかく生理的にだめな牛乳を飲まされているような不快さ。 ただイエスのサウンドもいまいち冗長でモタモタ感じる。プログレだから冗長でノロノロやるのは当たり前だが。20代の頃、うちの会社にバイトに来ている学生がロックバンドでリード・ギターをやっておりイエスの大ファンだった。その彼とわたしの先輩の元天才ギタリストSさんが話した。よせばいいのにバイトの彼はイエスのテープをSさんに渡した。聴いたSさんは「演奏があまりに幼稚」と彼にマイルスの「ビチェス・ブリュー」を渡したがバイトくんはさっぱり気にいらなかった。 わたしも当時はイエスは聴かない年代で、マイルス一辺倒だったので久々にイエスを聴いたら幼稚に聴こえた。というよりROCKという音楽全部が子供向けの幼稚な商売音楽に聴こえたものだ。実はその後、何十年かかって、それこそが、そういった感覚も含めてROCKがすばらしい音楽と再認識するのだが。 で、わたしは当時も今でもイエスは好きではないが、なぜか各メンバーのソロアルバムは大好きなのである。1番すきなのは「Steve Howe」。なんかスカスカでゆるくていいのね。テーマもストーリー性もなくクラシカルだけど本気モードのクラシックではない。悪くいえば非常に中途半端。 でもこの半端かげんが、真に気持ちよい。BGMには最適だ。適度に聴こえるギターが、教則本のようでまったく才能がないようなフレーズを奏でるのが、また楽でいい。最高です。ハウは中途半端感覚の天才ではないだろうか。クラッシックのミュージシャンが飯が食えないのでRockをやっているような中途半端な感じの演奏がなぜか妙に心地よい。たぶんこの心地よさは、彼らには我々日本人のようにRockとクラシックの境界線がないのだろう。どっちが高度だとか金になるとかあまり偏見がない。たぶんそのピュアな感覚が心地よいのだろう。勿論この分析は完璧に見当はずれだろう。しかしこのはずれた感覚がわたしなのである。 彼のアルバム、サウンドの素晴らしさを説明するのは難しい。適当でゆるいイエスサウンドにジョンのボーカルがないのがとても落ち着いてリラックスできる。あと、プチクラシカルというか、なんちゃってクラッシック(本人は本気だろうが)ぽいサウンドが安らぐ。 本ちゃんのクラシッックって、結構どたばたやかましくて緊張するしエリート意識も感じられ官僚ちっく。そう。ハウは緊張がない。クラシカルの穏やかで美しい部分だけが抽出されているからいいのかもしれない。彼のソロアルバムはどれも同じようで中途半端クラシカルRockで、どれも最高に心地よい。よく眠れる。 2011年 09月 23日
#235 『Area/1978』本日のニュースで俳優の杉浦直樹さんが亡くなられたことを知ったが、大好きな俳優だったのでかなりショックである。悲しいというより残念。我々80年代にTVドラマやシナリオを勉強しているものにとって、あの時代、あくまで通の間では杉浦さんの評価は絶大だった。ようするに山田太一さんのドラマには欠かせない役者だった。NHKドラマの「今朝の秋」や「「結婚まで」の存在感は強烈だった。確かに「岸辺のアルバム」もいいが、杉浦さん個人の印象でいうと前出の2作品が圧倒的に素晴らしかった。 ご冥福をお祈りします。 というわけで、本日紹介はアレア。個人的には歴史上、プログレ界最大にして最高のバンドだ。それも、ぶっちぎりで。70年代中盤、当時わたしが高校生の頃がハードロックとプログレの人気がピークで二分しており、全米チャートもこの両ロック界のスーパーバンドが席巻していた。 当時のプログレ人気トップはEL&Pとイエス、そしてピンクフロイドがBIG3だろう。キング・クリムゾンはいまでこそカリスマだが、当時の人気はそれほどではなくBIG3の次ぐらいか。ジェネシスなんかは日本ではほとんど人気はなかった。ただこれはあくまでも人気、売上げの話で音楽性や演奏レベルの順位ではない。 で、プログレが売れるからどんどんレコード会社はスターを発掘させたいが、プログレは音楽も演奏レベルも高いので、そうそう膨大には登場しない。 各レコード会社もPFMとかイタリアのバンドが売れたので、「おっ」と思ったのか、どうかはわからないが、あるレコード会社で当時ユーロ・ロックシリーズというものがはじまった。ヨーロッパのプログレバンドを一挙紹介するシリーズである。どういう基準でセレクトされたアルバムであるか我々は知らない。しかし、これはこれで我々は結構楽しんだ。格闘技界と同じで、まだ未知なる強豪がたくさんいることをほんのちょっぴり知った。 ただ英語で歌っていないバンドが多く最初は違和感があったが。で、毎月5枚くらい発売されるこのシリーズは6回くらい続いたらしが、盛り上がったのは2回目くらいまでか。いつのまにかなくなった。 第1シリーズの売り物はフランスのバンド、アトールの「夢魔」に特に力を入れていた。とにかくこれだけは売りまくろうとしていた印象だ。ま、そこそこ売れたらしいが。 で、わたし的にはイタリアのバンド、アレアにはまった。このシリーズでは地味で当時の音楽雑誌でもほとんどスポットを浴びていない。ただ当時このボーカルは、あまりにぶっ飛んでいて、とても高校生の手に負えるものではなかった。友人などは「この人、頭おかしい」とまったく受け付けない。 わたしもいまなら大好きだが当時はやりすぎに思えた。ただすぐに慣れた。このバンド、ボーカルはちょっと置いといて、とにかく演奏技術が物凄い。2011年の今聴いても物凄い。で、構成、アレンジがめちゃめちゃお洒落。これはROCKというより、ほとんどJAZZである。全盛期のウェザーリポートを聴いているようである。とにかく凄い。とにかくアレアを聴くとあまりにスリリングでKクリムゾンがSMAPに聴こえるほどPOPだ。アバンギャルドが売りもののドイツのCANですらAKB48に聴こえるほど凄まじい。 ま、こう表現すると、どれほど難しくて訳がわからん音楽かと恐れをなしそうだが、ベースはホントかっこいいプログレッシブロックである。でもこの当時のイタリアの若者は物凄い。まあ才能といえばそれまでだが。 1番かっこいいのが「Acrostico In Memoria Di Laio」で、これはベースとピアノがもう凄くて楽しい。ザビヌル&パストリアスを軽く凌駕している感じ。そこにあの、はちゃめちゃボーカルのデメトリオストラトスが歌うというか語る。これ既にラップだ。とにかくこのボーカルは人生最大の革命的な衝撃を与えてくれる。とにかく彼は歌うというか声の楽器。といってもアル・ジャロウとかがやる上品なものではない。 まあ唸る、喋る、叫ぶ、ヨーデルで延々アドリブしながら叫び歌う。もう完全にあっち側にいっている。だが不快ではない。ちゃんと音楽的楽しさと、しっかりとしたテクニックを感じる。 アレアは、わたしが夢にまでみたアバンギャルドとPOPを同時味あわせてくれた、はじめてのバンド。これを聴いているとあの70年代のマイルスでさえ冗長で幼稚な音楽に聴こえるほどだ。なぜかピアノの音が異常にPOPでスリリングで、アバンギャルドだと思いながらビートルズを想起したりもする不思議さ。演奏はブランドXも想起するが、あれほど整然としていないから益々スリリングだ。 彼らは全作傑作でどれも凄いが、やっぱりこの「1978」が最初の衝撃といい1番強烈だし1番POPで好き。プログレというより、JAZZ/ROCKや現代音楽の中に入れてもトップに君臨する傑作だと思う。 人生が面白くないと思ったら、この世で最もスリリングなアルバム「1978」を聴いたほうがいい。そうすれば、この世には、まだまだ面白いものがあると勇気付けられるはずだ。 2011年 09月 15日
#234 『Brad Paisley/American Saturday Night 』前に最近の全米チャートはラップとカントリーだけだと書いたが、そのカントリー側のスーパースターで、現在人気、実力共No.1といっていいのがこのブラッド・ペイズリーだ。 わたしぐらいの年齢でこれだけ何十年と長く音楽を聴いていると、もうさすがにどんな音楽性やサウンドであろうと驚くことは少ない。それは悲しいことでもある。どんな音楽を聴いても、なんか過去のどれかの音楽に似ており、新鮮に心熱くなることはほとんどない。 で、このブラッド・ペイズリーも王道のカントリーサウンドと歌で非常に素晴らしい。だが音楽性やサウンドで驚くことは1つもない。それでも物凄く気に入った。心底魅せられた。根本的に素晴らしいのだ。ここ数年でこれほど魅せられたアーティストはいない。彼の「We Danced 」を聴いたときは金縛り状態だった。歌と歌唱に単純に引き込まれた。 その理由は彼の音楽家としての資質、実力、センスがあまりにも凄いからである。とにかく本物中の本物といえるほどクオリティが高いのである。 作曲の素晴らしさ、バンド演奏、声、歌唱力、ギターのテクニックと、すべてが超一級で文句の付けようがない。更にルックスもかっこいい。とまあ、ほとんどパーフェクトなアーティストである。 とにかく、この人曲がいい。全曲どの曲も名曲でつまらない曲が1つもない。UPテンポもバラードも深みがあって素晴らしい。そしてその名曲を圧倒的な歌唱で包む。声がよく、むちゃくちゃ歌がうまいです。単なる歌手としても凄いが、この人の本当の凄さはギターのテクニックもある。ギターインストアルバムもだしているだけにテクニックは物凄い。 わたしが1番好きな「Then」は本当に名曲で歌に引き込まれる。で、中盤とラストに出てくるギターソロの素晴らしさ。いやはや物凄い。これほど完璧なアーティストを聴いてしまうと他のアーティストがお粗末に聴こえて仕方がない。ブラッドの歌とギターを聴くと、クラプトンはかなり落ちる。声も歌唱力もギターも曲のよさも太刀打ちできない。クラプトンも好きだが、ブラッドを聴いてしまうとメジャーリーガーと町内会の草野球のひらきを感じる。あくまで個人的な感覚であるが。 「Oh Yeah, You're Gone 」は凄い名曲バラード。深い。まあしかし。このギター、めちゃめちゃ魅力的だ。ROCKもJazzもブルースも含んだようなフレーズと音色が素晴らしい。だが、曲があまりにPOPですぐにメロディを追い、でも彼の魅力的な声と歌唱を更に追いかけ、そこにまた、あの必殺のギターがキュイ~ンとくるとまあもう極上で気を失いそうだ。バイオリンとギターソロの掛け合いも非常に魅力的。 とにかく、ここまですべてが魅力的なアーティストをわたしは知らない。更にここまですべてにおいてクオリティが高いアーティストも知らない。 なぜ全米チャートのラップ主流にカントリーが対抗できるのかブラッド・ペイズリーを聴くとよくわかる。それは現在もっとも上質な音楽をやっているからだ。本国では新作を出せば一般チャートも初登場1位を獲得するほど人気アーティストであるが日本では国内発売されていないというが、こんなことでいいのであろうか。このレベルのアーティストがNo.1の人気を獲得していることにまだアメリカは救いがある。日本はK-Pop主流でもはや植民地である。音楽以外やスポーツでは国際的なアーティストが続々誕生しているのに残念だ。はやくだれか出てこいや。といいたくなる。 というわけで、ブラッド・ペイズリーはmここ数年でわたしが最も好きなアーティストである。勿論ドライブBGMとしても最適で、「You Do The Math 」なんぞはドライブが一層楽しくなること請け合いだ。圧倒的な魅力で第3回ドライブBGM大賞は楽勝でさらっていった。 2011年 09月 11日
#233 『ジョージ・ベンソン/ホワイトラビット』 「韓流ドラマ偏重すぎ」と、最近なにかと批判の多いフジTVだが、そのフジTVが毎週木曜10時に放送しているドラマ「それでも、生きて ゆく」は、ここ数年来のTVドラマでは出色の出来ではないだろうか。非常に素晴らしいドラマだと思う。 ただこのドラマ、重い内容なので視聴率は悪い。だが今後DVD発売等で再注目され、いずれは歴史的評価を受けるカリスマドラマになるのは間違いない気がする。やはりこういうドラマを見ると日本のTVドラマの水準は世界有数のクオリティで、とても韓国のドラマでは太刀打ちできるとは思えない。 で、このドラマ、音楽が辻井伸行氏だが、ドラマ内で流れるピアノの旋律は「オール・バイ・マイセレフ」そのまんまだ。伴奏で歌えるほどなのだ。ということはラフマニノフの旋律なのだろう。それにしてもまったく同じフレーズで、わたしはいつもこの旋律が流れると「オール・バイ・マイセレフ」を心の中で歌ってしまう。 ドラマ内容があまりに悲惨だが、役者の素晴らしい演技と純朴な風景、そしてこの美しいピアノの旋律が物語を救っている。やはりいつの時代も美しい旋律というものは人の壊れかかった心を修復し救う力があるのだろう。 というわけで、ラフマニノフやエリック・カルメンの旋律が好きな人には必須のドラマといってもいい。しかしここまで同じメロディなら、いっそのこと主題歌に「オール・バイ・マイセレフ」を使えばいいのに。キャストの演技、シナリオの作りといい素晴らしいドラマだが来週で最終回である。 で、こういうゆったりとした流れのドラマを見て、つい昔のことを回想してしまうのだが。20代前半会社から帰ってゆったり聴いていたアルバムにCTIシリーズがある。当時の大人気コンビ、ルディ・ヴァンゲルダー(録音)&ドン・セベスキー(アレンジ)のあのシリーズである。その中でも特に好きだったのがGベンソンの「ホワイトラビット」。ベンソンの最高傑作はやはり「ブリージン」だと思うが、個人的に1番聴いたそして1番好きなアルバムはこの「ホワイトラビット」だ。 内容はJAZZというよりイージーリスニング。フュージョンでもない。もっとゆるいイージーリスニングJAZZである。最初聞いたときは「なんじゃこれ」と思ったものだが、当時も今も何回か聴くと本当にリラックスできる。すぐに眠くなるのである。しかし演奏はわたしが最も好きなミュージシャン達だ。(ハービー・ハンコック、ロン・カーター、ビリー・コブハム、アイアート・モレイラなど。) 特にタイトル曲「ホワイトラビット」(なんとJエアプレーンのヒット曲がスパニシュJAZZに大幅アレンジされている)が軽いラテンイージーリスニング的でいい。「ブリージン」のベンソンを期待して聴いた人はがっかりするだろう。ほとんどスーパーでかかっているジャンクミュージックに近い。しかしそれがいいのである。このゆるさ。最高である。ゆるい演奏、ゆるいストリングスと、ここに緊張は1%もない。奥行きはないペラペラの音楽に聴こえる。しかしなぜか、ずっと聴いていると、不思議に架空のそれも懐かしい昭和の世界に引き込まれるのである。 とにかくドン・セベスキーの壮大なアレンジが素晴らしくストリングスとエレピが堪能できる。映画音楽のようで、いつもベンソンのアルバムということを忘れている。「想い出の夏」なんて映画音楽JAZZという感じで映像が浮かんでくる。ベンソンのギターもペコペコ聴こえるが単なる1要素に過ぎない。そういう作りがいいのである。間違っても70年代以降のブラコンではない。全篇スパニシュなアレンジなのでマイルスの「スケッチ・オブ・スペイン」を思い出すが。 はじめて聴いたのは35年以上前だろうか。30年以上いまだによく聴く。これは青春時代の最もよく聴いた最も思い入れのあるアルバムである。 2011年 08月 19日
#232 【エアロスミス/闇夜のヘヴィ・ロック(Toys in the Attic )】お盆休みの墓参りはGWに済ませたので、盆休みは都心で遊ぶ。というかチョロチョロする予定だった。盆と正月は都心はガラガラ。勿論観光名所はぐちゃぐちゃ混むが。当然そんなところには近づかない。 盆休み1日目は吉祥寺の蒙古タンメン中本で「北極ラーメン」に挑戦し、翌日は猛暑対策のためTosiくんの夏物スーツを池袋までオーダーに行った。(彼の体型はオーダメイドでしか合わないのである。)サンシャイン60は水族館リニューアルのため異常に混んでいたため、昼飯は違う場所へ避難。本当はワールドインポートマート内の伊豆栄で鰻重を食べたかったのだが。。混み方異常だ。(バブル時代、職場がサンシャインだったので伊豆栄の鰻重ランチは30回は食べただろう。懐かしい) で、その帰り、折角池袋までドライブしたのでIMAXシネマ豊島園へ。23区ではIMAX・3Dは唯一ここでしか見れない。豊島園シネマで映画「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」に行く。7/29から公開だったが、当初は混むのでここまで待っていたのだ。予想通り映画館はかなり空いていた。豊島園自体は混んでいたが、奇跡的に駐車場にも入れる。(ちなみに駐車場は映画上映時間分の無料券がもらえるので料金はかからない) それにしても映画「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」は凄い映像で大満足。この映画に設定もストーリーも全然関係ない。とにかく映像の凄さに2時間半はあっという間に終わる。前回観たIMAX・3Dの「パイレーツオブカリビアン」は人生最低につまらない映画だったが今回は人生最高に楽しかった。 で、あの映像と音響はIMAX・3Dでこそ威力を発揮する。もしこれから映画「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」を観る方がいらしゃるなら、絶対にIMAX/3Dで鑑賞することをお薦めする。あれはIMAX/3Dでないと勿体無い。この圧倒的なゴージャスな映像と音響の世界にわたしは人生最大の満足感を得た。いくら内容の欠点を突っ込んだり、偉そうに批判しても、あんな映像はニホンジンでは予算無制限でいいといわれても100年かかっても絶対作れないだろう。そこは認めざるおえない。人生は口や批評より、行動であり現実、結果だ。とにかくあれを作ったマイケル・ベイとスタッフはえらい。ご苦労さんといいたい。 で、IMAXは映像も凄いがサラウンド音響も凄い。だからこういうROCKがガンガンかかる映画は楽しい。中でも印象的なのは、エアロの「Sweet Emotion 」。わたしが高校時代死ぬほど聴いた曲で、エアロのレパートリー中最も好きなナンバーだ。この曲をIMAXのサラウンド音響で聴くと非常に立体的でゾクゾクするほどかっこよかった。 というわけで、わたしが高校2年生ごろ発売されたエアロの「闇夜のヘヴィ・ロック」というアルバムは特別な思い入れがあるし1番好きなアルバムである。 エアロといえば最高傑作は「ロックス」といいう巷の評価だが、個人的には「闇夜のヘヴィ・ロック」と前作「Get Your Wings 」がエアロスミスの最高傑作だと思う。あくまでも個人的感想だが「ロックス」は、こけおどしでいい曲が1つもない。たぶんいいのはジャケットとタイトルだけ。曲も演奏もわたし的には何度聴いてもつまらない。なんかスピード感、躍動感がないのね。当時のわたしのリアルな感覚からいうと「ロックス」からエアロの凋落がはじまったと思う。実際米国で膨大に売れたのは「Toys in the Attic 」までで、いうほど「ロックス」以降彼らはあまり売れていない。完全に落ち目になって「 パーマネント・ヴァケイション」で復活するまでボロボロだった。 で、このアルバム、高校時代(1974頃か。17歳だった)に朝から晩まで死ぬほど聴いていたが、やはり「Sweet Emotion 」が最高に気に入っていた。たぶんこの曲がなかったらわたしはそれほどエアロは好きではなかっただろう。とにかくこのアルバムは全曲シンプルで若々しく荒々しくて大好き。以降の王道的できどった複雑な曲がないのがいい。 しかし、最初聞いたときはかなり驚いた。とにかくSタイラーの歌いかたはMジャガーに似ていると思いながらも、ほとんど喋ってがなりたてている感じで、とても王道のROCKの歌い方ではない。今聴くと普通なのだが、当時としてはかなり画期的だった。あの大好きな「Sweet Emotion 」も色気むんむんの前奏から歌はがなり喋っている感じ。だがそれがなぜかかっこいい。 で、かの有名な「Walk This Way 」。これをあの時代リアルタイムで聴いたときはかなりショックだった。わたしは友人のW君へ「これって、歌かな?」と問いかけたほどだ。でもやっぱりかっこいいと納得。結局これがのちのラップの原型だったわけだが。 更に、このアルバム他にもかっちょいい曲のオンパレードである。強力シングルでタイトル曲の「Toys In The Attic 」のスピード感と迫力は当時友人宅でステレオフルボリュームで聴いたため近所から苦情がきたほど。 Sタイラーの渋いブルージーなボーカルがあまりにかっこいい「Uncle Salty 」。これもエアロの最高傑作。こういうムードのナンバーはこのアルバムでしか聴けない。これも70年代の奇跡のようなナンバーだ。Jペリーのギターソロも素晴らしい。 ギターといえば、「Adam's Apple 」はエアロのギターロックとしては最高傑作だろう。当時ギターを練習している友人に聴いたら、Kiss、Queen、エアロでギターのテクニックが1番複雑で巧いのはJペリーだといっていた。そいつは自分が凄いテクニシャンといっていたが実際のプレイはみたことがない。(わたしのこれまでの経験でいうと、だいたい自称テクニシャンのギタリストは口が達者でそういう奴が多い(笑)。ま、それも可愛らしいが。) で、そいつに言わせるとエアロのギターが1番コピーが難しいといっていた。特に「Walk This Way」などはフレーズのセンスなども感銘していた。エアロはQueenに比べると粗暴なRockのアホなイメージで売っているが、サウンドメイキングは非常に知的で頭脳派だということをそのとき知ったのである。まあ、トップクラスになるとめちゃくちゃ頭いいのは当たり前だが。 後日談だが、そいつはQueenはめちゃめちゃ簡単で、ブライアンメイなら全曲コピーできると豪語していたが(笑)。 ボストンも参考にした思われるかっこいいROCKの「No More No More 」は軽く流しているがPOPでいいし、「Round And Round 」の迫力と重量感はZEPPLIN並みにかっこいい。 そしてエアロのバラードで最も好きな「You See Me Crying 」。ドリームオンの100倍かっこいい切ないバラードで、この曲で締めくくるこのアルバムを当時何度聴き返しただろう。 もはや忘れかかっていた青春のハードロックアルバムを映画「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」でリアルに思い出したのだ。(ビーグル38も大好きだが、最近あまり出ないな) いやはや、楽しかった。ありがとう!オプティマス!バンブルビー! 宝くじに当たったらシボレーを買うぞ! 2011年 08月 06日
#231 【Van Duren/Are You Serious】 蒸し暑い夏は、クーラーの効いた部屋でワインでも飲みながら素敵なメロディの音楽を聴くことが最高に癒される過ごし方だと思われる。 そこで、お薦めなのが前回紹介したフォトメイカーだが、ソロアーティストなら絶対ヴァン・ダーレンだろう。 とにかく、この人、メロディが異常に素晴らしい。尋常じゃない。その楽曲のクオリティの高さは、数あるSSWでは歴史上No.1ではないだろうか。とにかく全曲すべてが、全盛期のビートルズのTOP曲に匹敵、あるいは超えるほど出来がいいのである。 で、この人、とにかくメロディがPマッカートニーに瓜二つ。もうそっくり。ただしそっくりだけじゃなく曲のできの良さは本家を完全に上回っている。更に、声、歌い方も完璧にそっくり。しかもこれらの楽曲は70年代のPマッカトニーの全盛期よりも出来がいい。まったくもって信じられないアーティストである。 まずは「Chemical Fire」は、でだしはエリック・カルメンを思い起こす声であるが、メロディは完全Pマッカトニー。もう圧倒的に素晴らしいPOPなナンバーで引き込まれる。なんという魅力的な曲だろう。 「This Love Inside 」もアレンジはパイロットのようなPOPな魅力的なナンバー。これまた圧倒的な素晴らしいメロディ。いやはや凄い。もうこの2曲で、ビートルズを完全に上回っている。わたしは正直ビートルズでも、こんないい曲聴いたことがない。アコギを生かしたアレンジもむちゃくちゃカッコいい。凄い。 「Oh Babe」も前2曲にまったく劣らない素敵なPOPな名曲で、アレンジは1番パイロットに近い。しかし、あのメロディ匠バンドのパイロットにも、これほどPOPで素晴らしい曲はない気がするほどだ。 とにかく、この Van Durenのメロディメイカーの凄さは異常ではないだろうか。たしかに似ているがビートルズやパイロットを軽く凌駕している楽曲のすごさは驚異でしかない。 「Grow Yourself Up 」は、もっともPマッカトニーに似ている。これを聴いてマッカトニーでないと言い切れるビートルズファンはいないのではないだろうか?もはや、声、メロデイ、アレンジは完璧で、何度も聴いて知っていても、たまにiTuenから流れると、ありえないはずなのに、いまだ「これビートルズのなんていう曲だっけ?」と探してしまうほど完璧にビートルズにしか聴こえない。しかも曲のよさが尋常ではない。本当に魅力的な曲である。 勿論ビートルズだけではなく、ラズベリーズそっくりのROCKナンバー「New Year's Eve 」や「Jane」のカッコよさたるや、これまたエリック・カルメンそっくりなメロディで震えるほどだ。ラズぽいナンバーになると彼の声もエリックぽくなるのもいい。 「So Good To Me 」はフォトメイカーぽいセンチメンタルなバラードで、郷愁哀愁メロディも文句の着けようがない。 「Stupid Enough 」もいい曲過ぎて、もう表現しようがない。ホント、いい曲だ。 とにかく、Van Durenが素晴らしいのは似ている完成度ではなく、楽曲の出来が本家を超えるほど素晴らしいということである。それも1曲残らず、すべてが歴史的名曲である。何曲聴いても、すべて驚くほど素敵な曲ばかり出てくるので、彼のアルバムを聴いた後は贅沢病になっていることをお忘れなく。いやはや、それにしても、ここまでもの凄い才能がいたなんて。。。 これは70年代の隠れた名盤であるが、もっと大々的に取上げてほしかった。まったく当時の音楽メディアはなにをやっていたのだろう。まだまだ未知なる強豪は綜合格闘技外でもいるのである。恐るべき究極の名曲POPアルバムである。 2011年 07月 30日
#230 【Fotomaker/Fotomaker +Vis-A-Vis 】今年の夏は暑い? 去年より暑いと思っていたら、一転して涼しい。 というか寒い。と思ったら蒸し暑い。 で、また暑い。 で、台風来て寒い。また暑い。もうわけわからん。 というわけで、過ごしにくさは去年と変わらない。 いや、変化が多すぎて、節電もあり去年以上に過ごしにくい。 わたしとしては、すっきり、ばっさり毎日猛暑日のほうがあきらめがつくのでいいのだが。暑かったり寒かったりと、もつとも体にこたえるパターンではないだろうか。とにかく暑さより湿気だ。湿気が1番の大敵。気温は耐えられるのだ。 というわけで、今年も夏に、有名無名いろいろな人が死ぬぞと予想していた。しかし真夏で暑くて体調不良で死ぬのでなくて自殺が多い。 病気の原田芳雄さんは大変ショックだったが、それ以上にショックだったのが中村とうようさん。我々の年代で洋楽好きならカリスマのような存在だった。わたしも大好きでMM誌を15年くらい毎月購読していた。ただMMは10年前くらいから購読しなくなった。なんかもう最新の洋楽は聴かなくなったので記事の内容がわからなくなったのだ。 それでも、「とうようズトーク」のページだけは本屋で立ち読みしていたが。とにかく、とうようさんはアルバムレビューの0点が有名だった。わたしはとうようさんが0点をつけたアルバムを好んで聴いていた。勿論10点満点も。どっちも面白かったのだ。 その採点をいつも友人と面白がっていた。たとえば、わたしの好きなチック・コリアやキース・ジャレットは、とうよう氏の採点はだいたい1点か2点だった。たしか当時チック・コリアの新譜が3点だったので、友人に言うと「え~、結構高いじゃん」と言っていたのを覚えている。 「ボクはこういう音楽の良さはわかりません」とキース・ジャレットに1点か2点をつけていたとうよう氏の気持ちもわたしにはよくわかる。たしかにわたしはキース・ジャレットは大好きだが、毎日聴いていると、飽きてどうでもいいただのBGMに聞こえるときがある。そういうときは、ただ綺麗な魂のないバカバカしい音楽にも聴こえる。しかしまた時期が来ると狂ったように聴き感動する。同じものが、その時は神の領域に聴こえたり、またあるときはワンパターンのつまらないものに聴こえたりする。だから0点も10点満点のレビューも彼のいわんとする気持ちも感覚もよくわかっていたのである。第一、そういう趣向むき出しのレビュー、評価のほうが面白いし、たかが批評なんだから、多彩な発想や評価があったほうが当時は楽しかった。 むしろ自分の好きなアーティストになんのおも入れもなく中途半端に、5点、6点みたいな評価でわかったようなことを書かれるほうがファンとしては1番頭にくるのである。しかし、加藤和彦氏や今野雄二氏といい、わたしと感性のあう、音楽家や評論家はみんな自殺してしまうのは寂しい。で、昨日は野球の伊良部氏の自殺と、あまりに最近著名人の自殺のニュースが多い。なんか暗いニュースが多い。いいことはなでしこジャパンくらいか。あれはほんと凄かった。特に内容が。ま、長くなるのであれについてはやめるが、本当に敬服しました。 で、本日おススメはフォトメイカー。メロディがとっても胸キュンな本当に素晴らしいバンドだ。〔注1〕ラズ関連バンドの中では、間違いなく最も良質なバンドだろう。とにかくノスタルジックで切ないメロディー、爽やかなハーモニー、フレッシュで清涼感豊かなサウンドがあまりにも素晴らしい。彼らはラズ解散後2年以内に登場したから、80年代以降のパワーポップ系のバンドと一線を画している。P-POP系とは比較にならない良質な本物の哀愁郷愁バンドなのである。 その郷愁と哀愁を兼ね備えたメロディとサウンドのレベルは、全盛期のラズベリーズに匹敵するほど素晴らしいが、ラズを越えるほど素晴らしいかといえば、さすがにそこまでのレベルには到ってはいない。さすがにラズ時代の特にエリックの哀愁郷愁楽曲(例えば、If You Change Your Mind 、Let's Pretend、Nobody Knows、I Reach For The Light、I Can Remember、I Saw The Light、Starting Over等)は必殺の凄まじいレベルにあり、このフォトメイカーどころか、歴史上のすべてのバンドをもってしても絶対に到達することはありえないのだ。だがフォトメイカーはエリック以外のメンバー作のラズ曲やビートルズやバッドフィンガー程度の曲ならゴロゴロある。勿論それとて奇跡的に物凄いことでもある。 Fotomakerのオリジナルアルバムは3枚あるが、ラストの3枚目は聴く必要なし。曲のクオリティは1,2枚目が優れており3枚目には聴くべき曲はない。元ラズのウォーリーブライソンもいなしサウンドもギターも魅力がない。やはり彼らの才能、勢い、熱気は1,2枚にありそこに傑作が集中している。 というわけで、彼らのファーストとセカンドのレパートリー中、特にすばらしいものを簡単に紹介しよう。 まずはデビュー曲の「Where Have You Been All My Life (どこにも行かないで )」。タイトルといい、出だしからいきなり琴線をわしづかみする郷愁メロディーと爽やかなサウンドとハーモニーが胸を満たし懐かしさで一杯になる。秀逸なメロディを生かしたノスタルジックなアレンジがとても素晴らしい。一瞬にして、この曲とともにあの懐かしくも優しい時代、1960年代にタイムスリップすることができるのである。ありがとう。と、この曲を聴けたことを感謝したくなるほどの素敵なナンバーだ。 そして、彼らの魅力が最大に発揮されたと思える切ない名曲バラード「All There in Her Eyes (魅せられし瞳)」。あまりに切なく素敵なメロディ。メロディだけならエリックの傑作を上回れる可能性がある唯一の曲かもしれない。それほど物凄い名曲である。そしてラズベリーズ時代を入れても最高プレイと思えるほどの哀愁度満点のウォーリーブライソンのギターソロが我々の琴線をわしづかみにする。これぞ胸キュンNo.1のソロフレーズで、これを体験していない人生は相当不幸だ。恥だ。これまたサウンドアレンジが素晴らしく、特に後半の切ない郷愁度満点のフルートソロも素晴らしい。フルート繋がりだが、エリック・カルメンの「恋にノータッチ」にまったく引けを取らない歴史的名曲である。 哀愁溢れるRock名曲「Just For You」も素敵なラブソングで胸いっぱい。これは、楽曲、サウンドと、まったく99%ラズベリーズだといっても差し支えない。とにかくラズ的哀愁郷愁度満点のナンバーで、ややセンチメンタルな出だしから後半は爽やかなハーモニーとともに力強く盛り上がる胸キュンナンバー。この胸キュン度も最高だ。POPながら3年殺しのジワジワメロディーが徐々に胸に染み込む様が絶品である。いいです!これは。 そして更に、個人的には最もしびれた、これまた今世紀最強の傑作であり、もし聴いたことがなければ、この世に生まれてきたことさえまったく無意味だったとさえ思えるほど、あまりに危険な究極の名曲「Two Way Street」!この曲はヤバイでしょう。ウォーリー一世一代のイントロの哀愁ギターを聴いて涙が溢れない人は、もはや人間らしい心をもった生物ではない。それは金属生命体トランスフォーマーだろう。これほど切ないメロディは、この世にはここにしか存在しない。琴線をわしずかみされて苦しくて切ない。タイトルからして、おそらく辛い失恋ソングと思われるが、それにしてもこの哀愁溢れる世界は凄い。いやはや、いいもの聴かせてもらった。ありがとう、フォトメイカー。これは20世紀切なさNo.1ソングだろう。繰り返すがはっきりいって「Two Way Street」を聴いたことがない人生なんて。。。まったく無意味だ。(尚、同じタイプのイントロ、曲調で、「Don't Let Go 」もある。こちらも悪くないが) ラズベリーズのPOPなロックナンバーにまったく引けを取らないPOP・ROCKの魅力全快の「Miles Away 」は圧倒的にかっこいい。シンセ、キーボードのイントロでTOTO風のモダンRockナンバーだが、曲、サウンド、メロディ、コーラスと、例えTOTOクラスのロックバンドを100つれてきても、Fotomakerのこのカッコよさには対抗できないだろう。元ラズのウォーリー・ブライソンのギターのかっこよさ、もう素晴らしすぎる。当時、中盤のツインリードのユニゾンギターソロの部分のあまりのカッコよさに失禁してしまったファンは多いだろう。 更に、初期のエリック・カルメンのバラード曲を連想させる哀愁度満点の「If I can't Believe In You」。センチメンタルで切ない。ウォーリーのギターソロだけでも1つも小説に聴こえる。そして「Lose At Love」の胸かきむしられ度は、もはや切なさがレッドゾーンに突入し血管がぶっちぎれるほどである。 「All These Years」も、POPでラズ的爽やかナンバーで、ほんのちょぴりテンポとムードが「パーティーズ・オーバー」に似ている。たしかウォーリーの曲だったかしら。非常にラズベリーズを感じるいいムードでウォーリーのギターソロも最高だ。メロデイの背後にある郷愁度も満点である。地味ながらPOPで癖になる素敵な曲である。 とにかくラズ関連バンドの中で、本家以外でこれほどクオリティの高い哀愁ある楽曲と郷愁を感じるサウンド、ドラマ性豊かな切ない歌世界を生み出したバンドはフォトメイカーしかいない。この素晴らしい楽曲群を堪能することなく人生を終える人は、究極に不幸であり、同情するどころか、知らないこと自体犯罪といってもいいのではないだろうか。 フォトメイカーは、ラズベリーズなくして絶対に生まれなかったバンドであり、そこがまた可愛いのである。そしてラズベリーズのギタリスト、ウォーリーブライソンが参加しているということで、我々〔注2〕ラズ不朽委員会にとっては、ラズ兄弟バンドという位置づけである。 この世でも最も素敵なバンド、ラズベリーズを超えるとバンドとまではいわないが、エリック・カルメン抜きのラズベリーズにだったら、楽曲は十分対抗しえる。 ということは、フォトメイカーは、この世で2番目に素晴らしいバンドということである。だがセンチメンタルな哀愁と一瞬の胸キュン度なら、この世で1番といってもいい素敵さだろう。本当に琴線を掴まれるまったくもって素晴らしいバンドだ。 (ちなみに、わたしの胸キュンバンドチャートでいうと、バッドフィンガーは16位でビートルズ32位だ。参考までに) 〔注1〕:ラズ関連バンド(ラズベリーズ関連バンド及びラズベリーズ関連ミュージシャン)とは? ビートルズ、バッドフィンガー、アメリカ、パイロットなど、哀愁郷愁メロディーと爽やかなハーモニーを特徴とするPOP・ROCKバンド、SSW全般と80年代以降のパワーPOPバンド、SSW全般を含む。 〔注2〕:ラズ不朽委員会とは? ラズベリーズをこよなく愛する飲み会グループ、ブラックベリーズ(mark、uirou、mizuki)を母体とするラズベリーズ応援委員会である。 2011年 07月 11日
#229 『Les Hommes/レ・ゾム』いやはや毎日暑い。去年の夏は異常に暑かったが、もしかしたら今年はそれ以上かもしれない。毎年異常に異常が上乗せされていく感じだ。やはり地球は壊れはじめているのだろうか。 巷では節電とかいっているが、いつもどおり普通に自然に生活すべきだ。わたしは毎年夏は基本的には節電している。たぶん皆そうだろう。だから今年だけ意識過剰になることもない。 最近ホントに暑いときはクーラーを付けないと熱中症になる危険性を身をもって体験した。数日前、そして昨日も呼吸が苦しくなり倒れそうになった。一瞬意識朦朧となった。もはや昔の夏と体感が違う。気温も高いが、問題は湿気だ。温風湿気が凄い。扇風機をつけても熱気というか湿気が凄くて息ができないのである。 苦しくなる前にクーラーをつけて湿気を除湿するだけでも全然違う。かなり楽になる。それでもうちは基本的には扇風機でクーラーはつけないようにしているが、ビーンがハアハアいいだすと危険信号だ。彼は毛皮を着ているので限界がある。死んでしまっては困るので、彼が舌をだしてハアハアいいはじめたら我が家はクーラーをつけることにしている。 で、部屋が除湿され涼しくなったらBGMも涼しげなものでいきたい。Jazzやボサノバでもいいのだが、今年はお洒落なラウンジミュージックでいきたい。ならば、Les Hommesが最高だろう。Les Hommesはオルガンが特にいい。ジャンルはJazzになるのだろうが、非常にファッショナブルでお洒落だ。 とにかくコノバンド楽器編成がいい。一応インフォによると、オルガン、ヴィブラフォン、ムーグシンセ、コンガ、ドラムスからなるイタリアの三人組グループで、ボサノバを取り入れたラウンジジャズテイストのサウンドをベースに美しい女性ヴォーカルやスキャットを取り入れたサウンドということだ。ボーカルはあくまでつまで歌物ではない。 このサウンド、オルガンとヴァイブの組み合わせが絶妙である。正統的なJazzでもこういう編成は結構あるが、これほど、ゆる~く、軽くは演奏していないので、暑さ対策には向かない。例えばジミースミスやミルト・ジャクソンもボサノバ的な演奏は多々あるが、もっと本格的すぎて、しまいにゃアドリブは熱を帯びてガンガンのったプレイになる。これではBGMで、除湿するどころか逆に暑苦しくなることもある。今の異常な夏を想定していない演奏である。 しかし、このバンド。なにがいいかというと、お洒落なクラブ系サウンドでありながら今風のデジタルダンスビートがないのがいい。あの不要な重低音ビートがない。ま、全然ないわけではなくデジタルビートはあるが、そのリズムをオルガンが刻んでいるので妙にお洒落でエキゾチック。で、60年代のイタリア映画のサントラにあったような軽いノリのボサノバリズムが真に心地よい。2002年登場なのに、なぜあの時代の雰囲気をここまで濃厚にもっているのか、これまたまか不思議だが、蕩けるほどいいムードだ。 それにしてもイタリアのJazzはセンスいいです。映画「黄金の7人」のサントラもめちゃくちゃかっこよかったが、あれはもう50年近く前の演奏だ。なのにこのバンドとほとんど同じに聴こえる。不思議な偶然であるが、あの時代も今も熱い夏はこういう音楽で乗り切っていくのは変わらないのが面白い。よいものはいつの時代もいいのである。 このアルバム抜群にいいです。ただ、どうも国内発売は1枚しかないみたい。1枚で解散したのだろうか。だとしたら本当に惜しい。一見こういうサウンドのBGMバンドは沢山いそうなのだが、このオルガンのセンスとプレイを聴いているとかなり奥が深いという感じがする。でないとここまでの心地よさはでないだろう。 楽曲も全曲素晴らしいが、わたしは特に60年代フレーバー濃厚な「Boogaloogalick」が気に入った。同じレトロなムードの「Hommage」も最高。最もクラブ系サウンドでお洒落度No.1の「Intraspettro」は大傑作。本格的な4ビートJazzの「Pousada do Amor」のインタープレイも見事な演奏だ。 これは我慢せずクーラーの効いた部屋でシャンパンでも飲みながら寛げれば、もう死んでもいいとさえ思わせてくれる極上の1枚である。とにかくお洒落でカッコいいす。 2011年 07月 08日
#228 『The Cross/Mad Bad and Dangerous To Know 』前回話したとおり、わたしの好きなRockボーカリストは70年代当時の世評とかなりずれており、3大フェバリットボーカルは、マイケル・デバレス、ロジャーテイラー、ノディーホルダーであった。 たぶん当時の表看板3大Rockボーカルは、ロバート・プラント、ポール・ロジャース、ロッド・スチュアートあたりだっただろう。わたしも勿論それらも好きだが、先の3大のほうが正直好きである。 後、やはりスティーブ・マリオットとエリック・カルメンははずせないだろう。ブラインアン・ジョーンズやデビッド・カバーディルも大好き。グレッグ・レイク、フレディ・マーキュリー、ロジャー・ダルトリーも一応好きである。 で、このCrossはQueenのロジャー・テイラーのバンドだが、基本ソロプロジェクトであり、あまりしっかりとしたバンドの実態はない。ま、最初はバンド形態としてコンセプトを作りアルバム制作し活動していたらしいが。本格的にLiveツアーをやったりとか、後半どこまで本気でやっていたかはさだかではない。 とはいえ、ロジャーをリードボーカルにすえたこのバンド形式アルバムが意外とかっこいい。ロジャーのボーカルを堪能するには、ソロ名義アルバムよりこちらの方がより明快に堪能できる。ソロと違って、スピード感溢れる正統的ロックンロールが多く非常に清々しく気持ちがいい。 前にもいったが、ロジャーテイラーの楽しみ方はQueenを考えると誤解が生じる。Queenと比べて曲やアレンジがどうのこうのという議論はまったく見当違いなのである。多彩なQueenのような音楽が楽しみたい方はロジャーのソロとCrossは避けたほうが懸命だろう。楽しみ方が全然異ジャンルなのである。だがハスキー&ハード&ソウルフルな喉を堪能したい方には最高のアーティストである。 ロジャーのボーカルとサウンドは、むしろロバート・プラント、ホワイトスネイク、AC/DCあたりと比較すべきものである。とにかく楽曲はハードでタイト、疾走感抜群の直線的ロックンロールの破壊力が好きな人こそにお勧めである。 それにしてもこのアルバム、Cross名義としては2作目だが、バンドとしても一体感が見事でスピード感抜群だ。サウンドアレンジは前作が、ほぼハードなQueenだったが、こちらはZEPPLINに近く重量感、重厚感もあり更にハードなボーカルが引き立っている。 ZEPPの「胸いっぱいの愛を」にそっくりな「Top on the world ma 」の重くソウルフルなボーカルはさすがにロジャーだ。このボーカルならZEPPカバー集を出してもらいたいほどだ。 本領発揮といえる疾走感抜群のハイブリッド・ロックンロールの「Penetration Guru」や「Sister blue」は、もう見事としかいいようがない。これらのスピード系はQueenでは聴けないものであり、意外とPOPでキャッチーなメロディもいかしている。 「Closer to you」はアルバム中最高にPOPでかっこいいナンバーで、もう蕩けそうだ。渋いのにPOPなボーカルとサウンドアレンジの奥行きのあるカッコよさが絶妙に融合している傑作だ。 そして珠玉のアコナンバーも素晴らしい。特に「Breakdown」と「Better Things 」はもの凄い。この2曲に関しては、Queenの全盛期のアルバムのバラードに匹敵する凄さ。しかし、このアルバム、アップナンバーもバラードもどちらも出来がいい。Queen後期のアルバムよりも遥かに出来がいい。Queenという宇宙の中、ここにもう1つの広大な才能がが存在していたのである。QueenをQueenとしてしか知らない人は人生大損しているのだ。 「Old Men (Lay Down)」と「Final Destination」の語りかけるような出だしからハードに爆発するボーカルの多彩な表現力は素晴らしい。ギターのアレンジも深くてスケールが大きい。こういうナンバーを聴いていると後期のQueenのアルバムはかなり子供っぽい。既にこの時点で、本体Queenの才能を抜き去ってしまった感じである。 前回のディテクティブも素晴らしかったが、Crossの「Power To Love」もZEPPのDNAが感じられこちらも負けず劣らず素晴らしい。 とにかくQueenのロジャーだけ聴いてロジャーテイラーを理解していると思っている人は、絶対こCrossのアルバムを聴いたほうがいい。今からでも遅くない。もう、あまりのかっこよさ、凄さに腰を抜かすだろう。 2011年 07月 07日
#227 【ディテクティヴ/ファースト(直撃波) 】1977年、レッド・ツェッペリンのレーベル、スワン・ソングから登場したDetectiveは、本当に素晴らしいバンドだった。待望の本格派新人という感じで、発売当時わたしも聴きまくったバンドの1つだ。 ともかくこのバンド、サウンドがツェッペリンのコピーといってもいいほどよく似ており、その重量感と迫力を内包したドラムスのスケール感は、本家の凄みを凌ぐとは言わないまでも、かなりいいムードを引き継いでいた。ここまでサウンドが本格的でかっこいいと、似ていることすら、さほどマイナス要因にはならないのである。 で、このバンドのなにが1番素晴らしいかというと、それはボーカルのマイケル・デバーレスである。そう、あのシルバーヘッドのリードボーカルであり、わたしが最も好きなRockボーカリストである。彼は当時も今も評価が低く、B級どころかF級の評価すらない。たぶん史上最も過小評価されているRockボーカリストであろう。 しかし、このアルバムでの彼のヴォーカルは圧巻である。王道で本格的で渋く、しかもしなやかで激しくも哀愁すら漂う。Sヘッド時代を凌駕して完全に王道Rockボーカリストとして花開いたという感じだ。このバンドのスケール大きな重量感サウンドとボーカルがよくマッチしており、ここに音楽の化学反応、スケールマジックが巻き起こっている。 デビュー盤にして、ここまで本格的に重厚かつ成熟したサウンドを作り上げたバンドは歴史上ほとんどいない。わたしが思うに、匹敵するとしたら他ではバッド・カンパニーくらいのものだろう。しかも両者共、モノクロでシンプルかつ渋いジャケットデザインも似ており、同じスワンソングからデビューしたのが面白い。つまり結果的にZEPPのというかジミーペイジの発掘力というか見る目があったということなのだろう。 ただBカンパニーは、デビュー作としては史上最高の成功(アルバム、シングル共に全米1位)を手に入れたが、ディテクティブはまったく売れなかった。セールス面では、あまりに残酷に明暗が分かれた格好だが、アルバム内容のクオリティの高さは互角あるいは超えていたといってもいいほどである。 楽曲は全曲渋くも激しく最上級のクオリティで文句の付けようがない。パーフェクトだ。まずはオープニングの「Recognition」の搾り出す声のムードからして尋常ではない。これから物凄いことが起きるような前兆の静けさがスリリングだ。ZEPPサウンドはRプラントでしか拮抗できないと思っていたが、マイケルの声はハスキー&ソウルフル&スリリングで、この広大なサウンドを完璧に支配している。まずそれが凄い。それにしても全曲異常にタイトで、大木をナタでバサバサ切り落としていくような切り味いい重厚骨太サウンドがあまりにカッコいい。 続く「Got Enough Love 」は、モロZEPPサウンドで、ここまで徹底的にやると、これはこれで圧倒的に凄みがあって素晴らしすぎる。故に安易にコピーだとかパクリとかの指摘は逆に恥ずかしくなるほどだ。しかし、当時全盛期のZEPPLINにまったく引けを取らないサウンドの迫力とボーカルの勢いは微笑ましいかぎりだ。いやはや本当に素晴らしい。今にして思うと70年代のRockバンドの水準はミラクルだ。 そして、これまたZEPPの「Stairway to Heaven 」に匹敵するほどの名曲「Nightingale」。これまた信じられないほどの名曲だ。マイケルのボーカルの素晴らしさは、こういったアコギ・バラードでも最高の威力を発揮する。ホント、この曲聞き逃していたら一生の損だろう。後半テンポアップして盛り上がっていく構成もスリリングの極地だ。 AC/DCの「Whole Lotta Rosie」に曲調がそっくりな「GRIM REAPER」は、AC/DC本家すら凌ぐカッコよさ。破壊力抜群のドラムスとボーカルはここでも冴え渡る。「One More Heartache 」は力の入った重量感のある彼等らしいキラーナンバーで、すでにZEPPLINすらおよびでないという迫力で個人的には最も好きなナンバーである。 とにかく、これはいまだに大好きなアルバムで、実はZEPPLIN全アルバムよりも大好きで、当時ホントよく聴いたが勿論今でもよく聴く。このアルバムの出来はRock界の、空前絶後、史上最強のデビューアルバムといってもいい。またしても70年代万歳!といえる水準の作品だ。 2011年 06月 30日
#226 【Hard Stuff/バレットプルーフ】もし、ZEPPLINのようなかっこいいリフを多用し、カクタスのような凄みのある演奏力があり、尚且つ渋いフリーのような歌心をもっているバンドがいたとしたら、相当かっこよくて大好きになるのになあ~と、1970年代の高校生はずっと夢見ていた。 そんな夢のようなバンドは当時いなかったと思っていた。。。 しかし、実は現実にいたのである。そんな凄いバンドが。それがこのハードスタッフである。 70年代ハードROCKの歴史的傑作は、いまだどの音楽専門誌もDパープル、ZEPPLIN、Bサバスの御三家の代表作か、ジミヘン、Jベック・グループ等しか取上げられないが、ここに恐ろしいほど素晴らしい大傑作があったことを声を大にして訴えたい。 そう思わせるほど、このアルバムは素晴らしい。 まずバンド名がいいよね。その名のとおり、本当にハードでかっこいいROCKなのである。こういう秘宝のようなアルバムがあるから、わたしはいまだこの歳になっても70年代ROCKが大好きなのである。 しかし、このアルバムはリアルタイムでは、当時ほとんど無視された印象だ。元々72年の作品だが日本で発売されたのも、その2年後くらいだった。英米でもまったく売れてないので仕方ないが、中身の出来は物凄い。誰もが唖然とするかっこよさ。これはカクタスやZEPPLINの代表作と比較しても、まったく見劣りしないどころか、こっちの方がはるかに凄いと思えるほどの出来だ。 まあとにかく、このファーストは楽曲の出来が素晴らしい。基本カチっとまとまったハードロックだが、あまりにかっこいいリフやアレンジの良さ、各楽器のアンサンブルのダイナミックさは、ちょっと他のバンドでは思い当たらないほど素晴らしい。 オープニングの「Jay Time 」のリフはZEPPLINを初めて聴いたときの衝撃を上回るほどいい。カクタスのような大人っぽくて、それでいてラフでワイルドなムードはただ事ではない危険な空気が充満している。これぞROCKのスリリングな魅力爆発である。 続く「Sinister Minister 」も同じタイプの曲で、やはりカクタスのようなドラムスのけたたましさがかっこいい。このアルバム、この曲を含めて全曲のベースはブルースのようだが、派手なリフとハードなスピード感で完全にROCKに醸成されており、ほとんどブルース臭は感じさせない。 「No Witch At All 」も小細工のないROCKドラムのイントロにハードなギターのリフが絡み、同時期に活動したジェフベックグループなんかより100倍かっこいい。あえてラフでハードに聴こえる各楽器のアレンジが相当巧くて、テンポはそれほど速くないのにどの曲もスピード感を感じる味付けが見事だ。 とにかく、現代のROCKに比べると各楽器の隙間がスカスカなのだが、それが逆に非常にダイナミックでスケールが大きい。やはりこういうアレンジがROCKの本当のかっこよさというのがよくわかる。 「Taken Alive 」は王道の8ビートROCKで、ストーンズ、あるいは演奏だけならラズベリーズを思い起こす。「Hobo 」のイントロやギターアレンジはラズベリーズの「オール・スルー・ザ・ナイト」にそっくりだ。しかし、これほどのアルバムが72年に作られていたことに驚愕する。 「Time Gambler」もギターリフがあまりにかっこいい大傑作ROCK。派手な曲なのに、なぜか同時に渋くてかっこいい。中間の長いギターソロといい、これほどかっこいい曲はない。とにかくどの曲もアンサンブルのアレンジがあまりにかっこいい。 いやはや、ほんと参りました。蕩けるほどかっこいいPOPな楽曲ばかりが詰め込まれた、ため息が漏れるほどの素晴らしいハードロックの大傑作アルバム。これを聴いていなかったら人生大損である。 2011年 06月 26日
#225 【ベリー・ベスト・オブ・ディーン・マーティン 』いつの頃からかよくわからないが、在るとき、時々無性にフランク・シナトラが聴きたくなるときがある。特に本日のように休日の午後の少し曇っているとき、そう思うことが多い。ただこれは、いい傾向でもある。心が不安定でささくれ立っているときには、あまりシナトラを聴きたいとは思わないからだ。 ワインでも、チビチビやりながらのシナトラの歌BGMはわたしに極上のリラックス空間を与えてくれる。なぜ彼の歌はこうも簡単に日常をゴージャスな気持ちに変えてくれるのだろう。特に「夜のストレンジャー」「ニューヨーク、ニューヨーク」など代表曲を聴くと気分はゴージャスな感覚に代わる。 そうすると、もっと大好きなある歌手を思い出すのだ。そして、その代表曲「Everybody Loves Somebody」を聴きたくなるのである。「Everybody Loves Somebody」こそは今世紀最高の心地よい曲ではないだろうか。 で、好きなシナトラ以上に大好きな歌手がディーン・マーチンである。酔いどれのイメージがあるが、この人も非常に歌がうまい。個人的にはシナトラ以上に昭和の懐かしいあの時代を思い起こさせる人で自分が小学生低学年の頃よくラジオで聴いていた想い出が強い。父親が映画好きで、よく一緒に「底抜け」シリーズや「オーシャンと11人の仲間」などを楽しんで観ていたものだ。昭和40年代は洋画をTVで観るのが最高の娯楽だった。だからディノはわたしにとって強烈にノスタルジーに浸れる歌手でもある。 ディノの歌は、シナトラと同じような歌唱スタイルであるが、シナトラよりは華やかで少し声も若々しい。ちょうどシナトラとプレスリーの中間あたりの声という感じで、個人的には非常にこの声と歌唱法は好きである。 ディーン・マーティンというと、シナトラ以上に役者の印象が強いが、元々純然たる歌手であり、その当たりの柔らかさ、色気、粋なお洒落度はシナトラすら越えているほど全盛期は華やかだった。映画が当たりすぎて、歌の巧い役者のイメージになってしまったが、このヴォーカルの心地よさは晩年のプレスリーのバラード以上に極上といってもいい。 彼はシナトラと同じく、一見軽い鼻歌のような歌い方だが、その力の入れ具合、無理のない節回しといい、その巧さはやはり名人芸だろう。だが、それをまったく意識させない。聴くたびに懐かしくてあの時代が、いかに素晴らしかったかを堪能させてくれる。 それにしても「Volare」「Little Ole Wine Drinker, Me」の心地よさ。「Ain't That A Kick In The Head」の粋な歌い方や「Powder Your Face With Sunshine」のスイング感はJAZZ歌手としても超一級品で、この時代の歌手の実力がいかに凄かったか思い知らされるほどだ。 更に、あのプレスリーのバラードも凌ぐほどの「Kiss」や「Under The Bridges Of Paris」の破壊力は今の時代聴いてもずば抜けている。そして聴く度に蕩ける「I Will」と、やはり「Everybody Loves Somebody」は今世紀最高の魅力でノスタルジックで胸が一杯になり言葉がつまるほどだ。 それにしても、全曲圧倒的に心地よい歌。彼の歌を聴けば、あっという間にあの幸せな時代にタイムスリップできる。そして昭和のあの時代の大切な人たち、更に亡くなった両親に会えるのである。 2011年 06月 22日
#224 【Lou Reed/Rock & Roll Animal 】最近のビルボードの年間アルバムチャート・ベスト100を見ると、ROCKのアルバムというのは、ほとんどなくなっている。2010年の年間100アルバムの内訳をあえて乱暴にいえば、8割がラップで2割がカントリーといってもいい。ここ10年こういう傾向は続いているが、最近の5年間は特にひどい。もはやROCKは、若者の最先端の音楽ではなくなっている。そう。ROCKは完全に死んでいるのである。70年代以降、JAZZが完全に死んでいたように、もはやROCKは、世の中の主流ではなくシビアに言えば古典芸能の1ジャンルにまで落ちぶれているといっていい。 特にわが国日本では、1ジャンルどころか、コントのジャンルといってもいいほど滑稽でひどいものだ。70過ぎの爺さんが、いまだに「ロッケンロール!」と得意がったり、音楽性0の俳優やバカなタレントがROCKぽい音楽をやるときのイメージ戦略は、いまだサングラスをかけ、怖い顔をしたり、粋がった粗暴な口のきき方をする。これはもはやコントか漫画の世界である。更に親父バンドの祭典や昔のリユニオンバンド来日が飯のタネとして成立したりもする。ホント、70年代には想像もできなかった、ROCKもトホホの時代である。だがしかし、逆に考えればROCKという音楽がそれほど深く多層に浸透したということでもあるのだが。 ただ、70年代当時のROCKの位置づけは、単なる音楽の1ジャンルではなく、生き方や思想であり、あるいは個人の文化やカルチャーの発信であり若者の為だけの特異なファッションだったりもした。ROCKは音楽と共に若者の自己主張であり、怒れる訴求的な発想の源泉だった。大人や体制、社会に対して対立構造があり、若者が鬱積した憤怒や批判や不安を吐き出す方法論でもあったわけである。だから強烈でありインパクトがありメッセージ性があったのである。そして物凄く魅力的であった。巧いもヘタも関係なかったし、社会が揺さぶられ影響を受けるほどの魂のある本気の音楽だったのである。70年代は、そういうことが成立していた、もう2度と来ないスリリングな時代だったのだろう。 で、そのスリリングな時代の最もスリリングなアルバムが、このアルバムだろう。ジャケットも含めてこの音は、あの時代のROCKの最も魅力的な世界であろう。スリル、妖しさ、危うさ、カッコよさ、何もかもが異常に魅力的だ。こんなアルバムが発売されていた時代に10代後半の若者として青春時代を駆け抜けたことをわたしは誇りに想い神に感謝しているほどだ。 実は高校当時、ルーリードはそれほど好きではなかった。正直バイセクシュアルなイメージやヘンテコな歌い方といい、いまいちよく理解できなかった。詩集読んでも歌詞もまったくわからんし。ま、この歌世界を10代で理解もできないし、カッコいいとは思えないだろう。事実、わたしの周りのかなりのROCK通でも、当時デビット・ボウイまでは付いてこれるが、ルーリードとなると気持ち悪いと敬遠していたほどだ。 となると、わたしは果然ファイトを燃やしたわけだ。しかしやはり声も歌い方が好きではないので、「ベルリン」なども熱心に聴いたわけでもなかった。その頃、このアルバムが発売された。レコード店で初めて見たこの新作ジャケット1発で大好きになった。そうなると、もう音も歌も好きになってしまうのである。一夜にして、もうなにもかもかっこいいのである。当時、あいも変わらずパープルだチェッペリンだといっている同級生達を尻目にわたしはROCKの童貞を捨てた気分であった。 当時わたしの感覚では、例えとして、歌謡曲やアイドルを聴いているのは小学生レベル、井上揚水などフォーク系を聴いているのは中学生レベル、ZEPPやパープルのハードロック系は高校生レベルで、わたしはルーリードでもう大人だと悦に入っていた。もう異様で妖しい世界にも身を任せられる。高校の同級生を見て「君達子供には大人の異様な甘美な世界はわからんだろう」。そんな感覚で得意げであった。 相変わらず前置きが長いが、アルバムの話に行こう。当時はルーリードもグラムロックの範疇に入れられ、正直B級アーティスト扱いだった。だがこのLIVEはカッコいいギターのリフとソロが満載で、今聴くと結構健全で真っ当なROCKに聴こえる。だが歌はやはり妖しい。危険な匂いプンプンで彼独自の世界観は唯一無二の魅力である。 ルーリードはLIVE盤がいっぱいあるが、例外なくどれもこれもかっこいい。共通しているのは、どれもギターの分量がもの凄い。この異常なギターの分量が当時としてはアンバランス過ぎるのだろうが、それが彼のセンスであり時空を越えて今聴いても真にかっこいい。同時に隠し味のオルガンが渋く光っている。 全体を通して徹底的に表層はギターソロが延々鳴り響き、すべてはギターのリーディングで世界が構築されていく。そしてだんだんその陶酔する世界に引き込まれるのである。楽曲の基本は骨太なかっこいいROCKなのだが、あのくねくねとした歌い方はまさに歌というよりも完全に語りで、いまでいうラップになっている。つまりルーリードは現代の若者の主流であることを既にこの時代からやっていたのである。 実は、わたしはラップを最も早くやったのはエアロスミス(ウォーク・ディスウェイ)ではなく、デビッド・ボウイの「ジーン・ジニー」だと発見して一人悦に入っていたが、考えてみるとそれよりも全然ルーリードの方が先立ったのである。ま、乱暴にいえばボウイの師匠はルーリードみたいなものだから、ボウイがパッくっていたのだろうが、だからといってボウイが2番煎じだとも思ってはいない。ま、影響は大きいと思うが。 とにかくこのLIVEは、サウンド、ムードが最高で選曲も超強力だ。「Sweet Jane」「Heroin」ときて、ラストの「Rock And Roll」はホント凄い。静かな異様なムードから錯綜しながら延々ハードに盛り上がってく様は完全にあの行為の絶頂に昇っていく感じに近くかなり危険な快感でもある。だが、これこそがROCKのスリリングな快感の最高到達点なのである。もう2度と来ない時代の神の領域であることは間違いない。このかっこよさに16歳でしびれたわけだが、現在54歳になったいまでも1mmの狂いもなくかっこいいのである。ルーリードって、本当にセンスが凄い。 ※リシュー盤のボートラはいらない。ビニール盤のままの曲数にしておいてほしいね。 2011年 06月 08日
#223 『Ray Bryant Trio 』本日のニュースで、レイ・ブライアントが亡くなったことを知った。真に残念である。ただ80いくつだったので、意外と長生きだったのだとも思った。というか、JAZZのミュージシャンって、死亡記事で「あ、この人まだ生きていたんだ」と逆に思い出すことが多い。それはJazzという音楽が最新の流行としてスポットを浴びていたのが40年、50年前だからであるのだが。逆にいうとそれだけの年数が経っていても、いまだこれだけのファンを惹きつけていることは大変なことだろう。 後、昔のJAZZミュージシャンは伝記なんか読むと、麻薬や貧困と生活が荒れており、短命の人も多いのでそういうイメージが定着しているのだろう。結構JAZZ屋って、両極端で長生きの人は90以上生きる人も多い。ライオネル・ハンプトンなんかは亡くなったのは90代だったと記憶しているが。 で、レイ・ブライアント。JAZZの世界では知らない人はいないほど有名だが、では彼が伝説的なJAZZ界の巨人かといったらそうでもない。ま、一応ピアノでは有名。中堅のいいミュージシャンという感じだろうか。だが、彼の死去がニュースになるほど有名なのは、このアルバムの存在に尽きるだろう。たぶん、レイのこのアルバムはJAZZを知らない人も人生で何度も聴いているはずだ。焼き鳥屋、居酒屋、Bar、ブティック、ショッピングセンターと、どこでもかかっている。それほど親しみ安いサウンドである。 このアルバムはJAZZの歴史に残る名盤であり、JAZZファンなら誰でも知っている耳タコのアルバムでもある。わたしも若い頃聴きすぎて、しまいには飽きて嫌になり、ここ10年ほどは、ほとんど真面目には聴いていなかった。 しかし、久々に聴くとやはりいいね。いい!最高だ。前回でピアノトリオはやかましいので、ドラムはいらんといったが、やはりこのアルバムの「Splittin' 」なんか聴いちゃったら、くぅ~!もうたまらんです。いやはや、やはりピアノトリオの歴史的名盤は凄い。この時代の録音がいいのかも。録音がいいというのは音質ではなくムードがいいという意味である。レトロで温かい音なのである。逆に最近のJAZZアルバムは録音が良すぎて楽器の音がクリアすぎる。というか大きすぎる。特にドラムスが。 それにしても、このアルバム。ホントどの曲ものりがよくてPOPで親しみ安い。これぞジスイズ・JAZZ、スイングの宝石箱という感じで、一家に1枚必需品だと思う。基本的にのん気ないい意味でレトロなJAZZサウンドで、そこが逆に今の時代聴くと非常に新鮮でお洒落。あまりに芳醇で安定感があるため、のん気過ぎるように聴こえるレイのアドリブは実はかなり冴えている。 さすがに「Golden Earrings 」や「Sonar」のUPナンバーは、かっこいいが個人的には、やはりリリカルで哀愁度満点の「Angel Eyes 」や「The Thrill Is Gone 」のバラードプレイに胸を鷲づかみされる感じである。 この古い名画を見ているような心地よい安心感、そしてミディアム、バラードの多い選曲が、このアルバムをJAZZ界屈指の人気盤にしている理由かもしれない。後、このいなせなジャケット。これぞJAZZだ。このジャケットも人気の%を占めるかなり大きな理由だろう。 正直ブライアントは、どのアルバムも非常に安定したプレイではずれがない。乱暴にいえばどれも同じ。だが逆に派手さや超絶プレイなどが、ないのでどれも地味に聴こえる。それが若い頃はさして好きでなかった理由だが、今の歳になると本当に落ち着いて聴ける絶品のJAZZピアノである。 それにしても楽器の音が本当にあの時代のJAZZの音だ。こういう音って、もう録音できないのだろうかね。響き、空気感が今の時代のJAZZと全然違うのだ。マイクや真空管アンプやテープ録音の問題だけではないだろう。テクノロジーよりも時代の問題かもしれない。ま、それこそがJAZZの醍醐味なのだろう。だからJAZZファンはいつの時代になっても50年代や60年代のアルバムを聴き続けるのだろう。もはや骨董品の世界である。勿論いい意味でいっているのである。 ちなみに、このアルバムの録音はわたしが生まれた年である。録音日はわたしの誕生日の約1ヶ月前である。つまり同級生アルバムである。その時、既にこんな素晴らしいサウンドと音楽がこの世で奏でられていたのである。 それにしても素晴らしいアルバムだ。ホント、夜酒を飲みながら聴くには史上最強のアルバムである。 というわけで、改めてレイさんの、ご冥福をお祈り申し上げます。 2011年 06月 03日
#222 『キース・ジャレット&チャーリー・ヘイデン/ジャスミン 』大震災、電力不足、食中毒、放射線、政治崩壊と暗いニュースばかり続く。 そんな絶望的なこの国で暮らしていくことは実に苦しい。 だから心と体を常に自愛しなければならない。今はもしかしたらそれが1番大切なことかもしれない。 で、わたしは見つけた。 この極上のBGMでゆっくり休めば蘇生できることを。 それが、このアルバム『Jasmine/Keith Jarrett & Charlie Haden』だ。 だが自分にとっては、いまさらあまりに当たり前なメンツである。 彼らは、わたしが最も好きなピアニストと最も好きなベーシストであり、その二人によるデュオである。 とはいえ、これが30年ぶりの再会セッションである。単独では双方のアルバムはよく聴いていたが、二人一緒となるとそんなに年月が経っていたとは驚きである。 しかし偶然というか先祖がえりというか、この二人はわたしがはじめて買ったJAZZのアルバムで知ったのである。それはチャーリー・ヘイデンの「クロースネス」。 20歳の頃「クロースネス」の二人のデュオを聴いて、わたしは初めて目の前のJAZZの扉が開かれたのである。 実はわたしは、JAZZの編成ではピアノとベースのデュオが最も好きな組み合わせである。 ピアノトリオもいいが、たまにドラムスがやかましくなるときがある。そういうときは大体疲れているときで危険信号である。そういう時は、PとBのデュオは最高にリラックスできる。音数は少ないが、奥行きがありスケールも大きい。音の響き自体に癒される。 で、このアルバム。 二人の壮絶なインタープレイやインプロビゼーションを楽しむものではない。 最初から最後まで、あまりにリラックスしたのん気な演奏である。 世界最高、あるいは歴史上最も偉大で巧いピアニストとベーシストが最高にリラックスしたプレイで酔わせてくれる。これほど贅沢なことがあるだろうか。 緩やかで、そして暖かい「For All We Know 」の幕開けは素晴らしく、 「No Moon At All」の軽快な4ビートJAZZはもう、これ以上の楽器は必要ないと思わせてくれる。やはりこれはドラムはいらない。JAZZの醍醐味はやはりウッドベースの響き、その心地よさを心行くまで堪能させてくれる。 基本的にバラードタイプの曲演奏が多く、それがまたいい。キースは病気復帰後から本当に変わった。すごく優しさとサービス精神に溢れてきた感じだ。特に「Body And Soul」も選曲もアドリブも最高で、個人的には反則と思えるほどの心地よさ。 両者の楽器の音は相変わらず崇高で美しい。キースもヘイデンも一時期、聴きすぎて飽きるときがあり、最近は全然聴いていなかったが、改めて聴くと本当に素晴らしいの一言。 まさに歴史上、最もゴージャスでリラックスできるデュオアルバムの名作である。 2011年 05月 19日
#221 『Status Quo/On the Level』ブギーを抱いた渡り鳥。なんとなく思いついただけで意味はない。ステイタス・クォーは、FOGHATと同じく、高校時代から大好きなバンドで、いまだよく聴いている。もう40年来のファンである。実は、わたしのPCのiTuneにも、彼らのアルバムは12枚が収録されている。それほど特別好きなバンドでもある。で、このバンドも、70年当時からわが国の音楽メディアではB級扱いで、曲もブギー一筋で、全曲同じ曲に聴こえるという見当外れの評価だった。 ホント、当時の日本の音楽評論家というのは田舎者で、海外のリアルな状況をまるでわかっていない。英語も喋れないし、第一海外に行ったこともないのがほとんどだった。当時や今でも、Status QuoやFOGHATはスタジアム級の国民的なバンドで圧倒的な人気とステイタスなのである。だが70年代当時から、わが国の音楽メディアは、あいも変わらず自分達が決めた偉大な3大ギタリストとやらを持ち上げて仕事にありついていた。当時まともなことをいっていたのは福田一郎さんぐらいで、「ジミーペイジくらいのギタリストなら米国には3000人はいる」の発言は当時としてはかなりインパクトがあった。当時は、ギタリストの巧さがバンドの格となっていた。そういった音楽とはまったく関係ない評価のヒエラルキーというものが厳然と存在していた時代だった。 で、話は戻って。その見当違い評価はFOGHATも同じで、Status QuoとFOGHATは同じB級のハードブギーバンドとしていつも括られていた。わたしは両方とも大好きなバンドだが、似ていると思ったことは1度もない。当時の評論家は、どいつもこいつも興味も才能もないので、この2つを同じ括りでお茶を濁していた。ま、それは今でも同じだろうが。たとえばあの当時、ラズベリーズとバッドフィンガーも同じ括りだった。「全然ちゃうじゃん。」当時高校生のわたしはバカじゃなかろかと思っていた。そのうちBフィンガーは消滅したので、今度はラズベリーズと10ccを比較していたのである。もはや正気の沙汰ではなかった。 クォーとFOGHAT。確かにブギー主体の曲調で全曲演奏するスタイルは同じだが、それはシェパードとブルドックはどちらも犬だから同じようなものといっているぐらい乱暴で無頓着な表現だ。 勿論、どちらのハードブギーも飛び切りカッコいいROCKである。しかしその味わいは全然違う。まずFOGHATは、もっと極端にブルースに接近している。サウンドがもろ南部ブルースだ。濃密なスライドギターと濃厚なブルース魂炸裂のリード・ヴォーカルはブルース愛に溢れている。そしてブギーROCKのサウンドはかなりハードだ。 対してStatus Quoのサウンドは乾いており、軽快で小気味いいブギーで、あのジャカジャカというギターの刻みがウエハウスの食感のようで非常に気持ちいい。正直リードヴォーカルはFOGHATのように王道で歌い上げないし迫力はない。アメリカで大成功しない(成功する気もないみたいだが)のはリードヴォーカルのカリスマ性と弱さと英国バンド特有の品のよさが災いしている気もする。ウィシュボーン・アッシュと同じで、ヴォーカルの牽引力がなく多重ユニゾンで歌うのが弱いといえば弱い感じもする。だが、これがクォーの持ち味でもあり、曲によってはフォークやカントリー風味も感じるのだ。あとは好みの問題である。 ただギターサウンドはイギリスらしくセンスがいい。独自のノリの職人的リズムギターが最高だ。このジャカジャカジャカジャカの刻みギターブギーは癖になる。ファンは癖になるからこそ、全篇これが聴きたいのである。それを全部同じだという人は非常にセンスがない。つまり日本の音楽メディアはすべてセンス0である。 というわけで、Status QuoとFOGHATは、サウンドもスタイルも全然違うが、唯一共通しているところは、やはりスタジオよりLIVEが全然いいというところ。熱気、迫力、ノリが全然違うのだ。両者とも曲作り、アレンジ、カバーのセンスは非常に巧い。「スウィートホーム・シカゴ」など同じカバーレパトリーもあるが、同じイギリスのバンドでありハードブギー主体のサウンドなのに、ここまでサウンドや持ち味が違うのも面白い。 70年代わたしがはじめてクォーに遭遇したアルバムは「On the Level 」である。だからいまだに、このアルバムが1番好きだ。はじめて聴いたクォーの曲「Nightride」はシビレタ。シビレのスカタンになったほどだ。そして、死ぬほどカッコいい大ヒット曲の「Down Down 」。勿論「Little Lady 」は、今聴いても呼吸が止まるほどカッコいい。一緒に腰が動き続ける。これぞブギーの醍醐味だ。 更に、あのジャカジャカジャカと一緒に腰を刻みたくなる「 I Saw The Light 」はもう麻薬だ。「Over And Done 」もクォーの代表的なパターンで鉄板だ。若干おとなしめの前フリのイントロから入り、そしてあの王道のジャカジャカ・ブギーが始まる。いやはやホント麻薬よ。これ。ブギー底なし沼に沈んでいく感じ。ああ、このカッコイイーブギーナンバーをあと続けて100曲聴きたい感じ。 よく覚せい剤や麻薬をやった人間は一生抜けられないというが、このクォーのブギー麻薬も一度はまったら絶対抜けられない。それほど快感なのだ。これ体験せずして人生を終える人は相当不幸だと思う。いや、人生で最高の快感を未体験で終わるのである。いやはや危険だ。 それにしても、このアルバムは強力だ。すべて麻薬的にカッコいい曲ばかりだ。最もクォーらしいアルバムで、やはりクォーは初期に限る。初期の登り調子の躍動感のかっこよさ。それはFOGHATもZZTopにも共通している。やはり、こういう本物力のROCKは、70年代で既に終わっているのだろうね。当時としては普通だったのだろうが、いまこのスリル、ダイナミズム、躍動感を再現しろと言われたら完全に無理だろう。こんなカッコいいバンド、現在にいないもの。いまはレディ・ガガやヒップポップだよ。ホント、いまの若者は可愛そうだ。ゴミのような世の中で生きているのだなあ~、と思わずにはいられない今日この頃である。 2011年 05月 14日
#220 『Melody Gardot /My One & Only Thrill 』メロディ・ガルドーという歌手、そしてそのアルバムの作りは、基本的にはJAZZシンガーのカテゴリーに入るのだろうが、自作もあるし歌唱法自体はあまりJAZZを感じさせない。JAZZ度が低いので、一般のPOPSを聴いているようでJAZZに敷居が高く感じる人にも非常に聴きやすく親しみがもてるだろう。声とアレンジが魅力的なアルバムで一聴して誰もが好きになるアルバムである。 だが、それゆえに筋金入りのJAZZボーカル愛好家にとっては、深みに欠け、味の薄い印象を受けなくもない。事実わたしも、以前から聴いていたが、それほど熱狂的に聴くというほどではなかった。 だが、これが夜のドライブで聴くと圧倒的に声が魅力的なのだ。あまり露骨なJAZZボーカル歌唱ではないので、自然に耳になじむ。この声、昔から映画かなにかで必ず聴いている印象がある。なにか懐かしいのだ。そう、キャロル・キングやノラ・ジョーンズを聴いている感じで声もよく似ている。ただなぜかこの人、ジャケットのイメージもあるのか暗い印象がある。たぶん、そこがいまいち味が薄いという印象だったのかもしれない。それが聴きこむとモノトーン的なお洒落な世界に変わるのである。とにかく夜聴くといい音楽だ。そして映画を見ているような描写力のある音楽でもある。 今回のBGM大賞は走行距離2000km以上なので、たくさんの候補の中からの受賞となった。ロングドライブは夜間走る時間が長いので、やはりPOPSやROCKよりもJAZZが有利になる。しかもインストばかりだと飽きるし。その中でもMelody Gardot の2枚のアルバムは圧倒的に輝いていた。 特にこのアルバムの作りが素晴らしい。彼女の声を最大限に生かしたウィズ・ストリングスのアレンジが絶妙絶品である。オープニングの「Baby I'm A Fool 」が凄い。お洒落でエレガントだ。まるで映画の中に迷い込んだ錯覚すらある。60年代のお洒落なフランス恋愛映画のようで酔わされる。 2曲目「If the Stars Were Mine 」もこれまた絶品。お洒落なボサノバにウィズ・ストリングスでもう眩暈がしそうなほど素敵な世界だ。いやはや心地よい。 このアルバム。ここ数年で聴いた心地よさ度は群を抜いている。JAZZにあまり興味がない人でも、これをきっかけにJAZZボーカルにはまるでしょう。個人的にはメロディ・ガルドーのほうが、ノラ・ジョーンズより100倍いいと思うし大人っぽい。だが彼女の方があの若いノラよりも更に若い。ま、ノラも悪くないが、わたしは彼女の歌は5曲で飽きる。しかしメロディ・ガルドーは、(2枚しか出ていないので全部聴いても20曲ちょっとだが)続けて50曲は聴きたいと思わせるほど魅力的だ。 はっきり言って、ダイアナ・クラールやダイアン・シュアに比べると、飛びぬけた歌唱力ではないが、なぜか圧倒的にメロディ・ガルドーのほうが魅力的だ。歌いすぎないのがいいのかもしれない。とはいえ、勿論彼女も優れた歌唱力の持ち主であるのは間違いない。ハスキーでモノトーンで本当に魅力的な声だ。基本JAZZボーカルで、ここまで気に入った歌手は彼女が生涯初である。 ちなみに彼女は交通事故で頭や神経に重症を負ったためサングラスをしているが全盲ではないということ。たぶんそういう辛い生い立ちのイメージもいい意味で暗いモノトーン的な味になっているのかもしれないが、素晴らしく抑制の効いた秀逸な歌唱法でもある。23歳にして、この深みのあるボーカルコントール、表現力は驚異としかいいようがない。 それにしても「Les Etoiles 」の歌唱や「Somewhere Over the Rainbow」のアレンジはお洒落の極地でございます。全曲絶品の味わいで、自作も多いのでシンガーソングライターとしても魅力的だ。 いやはや久々に出会った極上のボーカルアルバムである。これを聴けば、心底生きてて良かったと思うだろう。それほどの素敵なアルバムである。 2011年 04月 28日
#219 『Earl Klugh/Spice of Life 』いまやSmoothJazz界の世界でのアコギ・ギターの第一人者は、ピーターホワイトとマーク・アントワンだそうな。ピーターホワイトはともかくとして、マーク・アントワンのほうは、なぜかわたしのipodにも数年前から入っており結構楽しんでいた。No.1といわれているPホワイトは、別に普通で、昔のアール・クルーみたいでどうといったことはない。というよりオリジナリティがなく平凡だ。 で、昔のアール・クルーを聴いても最近全然インパクトがなく、なにも感じなかった。確かに音はきれいで凄いとは思うが、今聴くと懐かしさ以外は感じない。これはおそらく、当時あまりにも好きで聴きすぎたのかもしれない。一生分聴いたから飽きたという感じだった。 とはいえ、じゃあ最近他にいいアコギターがあるかと探していたら、ケン・ノバーロはよかったが、ケンもアコギ専門でもないし、それ以外あまりいいアコギタ・アーティストに出会わない。というか全部同じに聴こえる。全盛期のクルーはそうではなかった。あんなに美しいギタリストはちょっといなかった。ただアール・クルーをいまさら聴くのもなんだし、最近の若い、いいギタリストはいないかと探していた。 と、同時にアール・クルーっていまなにやっているいのだろう。アルバム出ているのだろうか?それとも、年取って死んだのか?とか、実に失礼なバカにしたことを思っていたのだが。 で、現時点では最新作なるこのアルバムを聴いたのだが、あまりの素晴らしさに唖然呆然である。凄い。凄すぎる。音がまったく変わっていないが凄い。やはりクルーはアコギでは別格だ。ものがぜんぜん違う。なぜ彼のギターの音は、これほど美しく魅力的なのだろう。 アルバムの内容も全盛期の美しさを取り戻している。わたしは熱狂的な彼のファンだったが、それは70年代から80年代の前半までで、それ以降はダンスぽいというか、演奏が騒々しすぎて嫌いになったのだが、このアルバムはすべて穏やかな曲でストリングスまで入っている。年寄りには非常にありがたい。 いやはや素晴らしい。ひょっとして、これ彼の最高傑作ではないだろうか。相変わらず録音もきれいで、やっぱり彼のサウンドは凄い。発表は数年前だが、このアルバムは個人的には今年のベスト1だね。 世の中、アコギ・ギタリストは山ほどいるが、やはり彼は別格。今一度彼の熱狂的ファンになりました。とにかくこのアルバムが凄い。ただ、それ以外の近作は正直よくない。それも事実。あと、あれだけギターの音色がきれいなのだから、ソロギターアルバムがいいとおもうが、これが意外というかなぜか不思議によくない。私個人には全然よくない。やはり彼のギターは美しいアレンジに乗って、他の楽器のプレイとのやりとりの中で魅力的なフレーズが威力を発揮するようだ。
|